音楽家の悩みを解決するブログ " 雑記 "
人物造形が素晴らしい『朝子のムジカ!!』
2023年5月8日
今回は「元」吹奏楽部だった女性が大人になってから楽器を再開するお話し、和田フミ江さんの『朝子のムジカ!!』です。 (『朝子のムジカ!!』第一話より) 主人公は離婚して実家のある田舎の町に出戻った五來朝子(ごらい あさこ)という女性。 実家を整理し...
コンクール論を語らずにいられない~『BLAST』~
2023年5月7日
今日は仲里はるなさんの『BLAST』です。 前回の『宇宙の音楽』は創部間もない弱小吹奏楽部が舞台でしたが、『BLAST』は最初から強豪の登坂高校吹奏楽部に下手な1年生央道晴光(おうどう はれみつ)が入るところから話が始まります。 スポーツ漫画によくあるような、...
演出でぐいぐい読ませる『宇宙の音楽』
2023年5月5日
「吹奏楽の漫画なんて誰も読みたいと思ってないよ。」 作者の山本誠志さんが実際に言われたことがあるのでしょう。彼の自伝的短編『道半ばの東京。』の中で出てくる言葉です(≫ 道半ばの東京)。 この方の絵は独特の味があって初見から見やすいとは思いませんでした。が、ある...
エールとコーダ ろう者と聴者、理解と自立のものがたり
2023年1月22日
年始に映画を2本観た。『エール!』(原題はLa Famille Bélier)と『CODA コーダ あいのうた』。両者は同じ内容でエールが原作、コーダはそのリメイクである。 4人家族の中で自分だけ耳が聞こえる女の子が歌の才能を見出され、本人も自分に自信を持てるようになり、最後は...
天才科学者が蒔いた脳科学の種と鍼灸
2022年12月12日
この本を読んだのはその表紙に関心を引かれたからだ。 画像左下に写っている、フレームに固定された頭蓋骨。フォーカル・ディストニアの治療法である定位脳手術でもこれとまったく同じフレームが使われる。 音楽家向けの施術をしていると一定の割でフォーカル・ディストニアの患者さんに取り組むことになる。...
患者さんにゴッドハンド認定されました
2022年8月1日
ちょっとしたきっかけで人は変わることがあります。鍼がそのための一助になれたのなら、という話です。 しばらく前のことですが遠方から、鼻抜けにお悩みのリコーダー奏者の方がいらっしゃいました。リコーダーは趣味として友だちとアンサンブルを組んで演奏しているとのこと。 わた...
ウェブサイト作り直しました
2022年2月7日
ウェブサイトを改訂しました。 今回はわたしにとって3代目のサイトになります。思いかえせば最初に作ったサイトは2013年、今から9年前でした。9年で3つ目というのが多いのか少ないのか分かりませんが音楽家・ミュージシャンに見てもらうためにどうしたら良いのか、それだけもがいてきたあかしで...
ある新興宗教と鍼灸の話題について
2021年7月29日
少し前に、麻原彰晃が鍼灸師だったことで一連のオウム真理教事件と鍼灸のかかわりについてSNS界隈がかまびすしくなりました。麻原彰晃が鍼灸師だったのは事実です。地下鉄サリン事件の時僕は23才でまだ鍼灸になんの関心も持っていませんでしたが(鍼灸師になろうと思ったのはその二十年後)、このことはトリビア的知識...
出来たのに出来なかったと思う罠
2021年4月24日
痛みが急に取れると多くの人はまだ痛いところがあるんじゃないかと思ってあれこれ試します。しかし「まだ少し痛む」と言う場合でもさっきより大きく動かせればそれは改善しています。あるいは「今度はこっちが痛い」と言う場合もさっきの痛みは取れたので一歩前進です。 演奏にまつわる不調の場合、なに...
コミュ力はASDに学ぶ
2021年4月22日
医療系の職種はコミュ力(コミュニケーション能力)が大事と言われます。この類の言葉として他にも、共感力、傾聴力などなど検索するといろいろ出てきます。 鍼灸師もこの種の力が必要と言われる職種です。人を相手にする仕事だからでしょう。技術職的な色合いがつよい一方で人の困りごとを解決するには...
音楽家向け鍼灸施術に音出し部屋が必要な理由
2021年2月26日
音楽家の症状に鍼灸は効くのでしょうか? 「効きます!」と言いたいところですが、ものごとはそんなに単純じゃありません。 これを考えるためにはまず「音楽家の症状」を定義しなければなりません。 とりあえず「楽器の演奏ないしは歌を唄うのに支障が出るような...
カポスへのもう一つの道
2021年2月17日
はりきゅうルーム カポスに行くには品川インターシティの中を通るのがもっとも近道です。 雨が降っても傘いらず、信号で止まることもありません。 なのでアクセス案内ではこの経路を載せています。 ただちょっと気ぜわしいと言いますか、高層オフィスビルですか...
接続詞の使い方(つづき)
2021年1月3日
日本手話における「だから」や「でも」などの接続詞表現について面白い話があったのでつづきを。 前回の記事(≫ 接続詞の使い方)では「だから」や「でも」という言葉を使う際に、話者が当然の常識としている情報が抜け落ちることを書きました。 患者さんや生徒さんとその常識を共...