タグ別アーカイブ: 鍼灸
天才科学者が蒔いた脳科学の種と鍼灸
2022年12月12日
雑記この本を読んだのはその表紙に関心を引かれたからだ。 画像左下に写っている、フレームに固定された頭蓋骨。フォーカル・ディストニアの治療法である定位脳手術でもこれとまったく同じフレームが使われる。 音楽家向けの施術をしていると一定の割でフォーカル・ディストニアの患者さんに取り組むことになる。...
すごい技術は量産器から生まれる
2022年5月26日
コントラバスコントラバス専門の職人さんに駒を調整してもらいました。 もともと私の楽器には強烈なウルフがあって、A線を弾くときは弦を弓の圧で押さえつけなければならず、またE線のA♭やGあたりはどうがんばっても音が響きません。反対にG線はギラギラした音色で、移弦のたびに違う楽器のように音が変わるの...
休日の宿題(フォーカル・ジストニア)
2021年10月31日
ディストニア当サイト内の症例ページでご案内のとおり、当院ではフォーカル・ジストニア(FD)の治療にも取り組んでいます。FDに対する施術でよくある悩ましいことはある程度治療がすすむと改善が足踏み状態になることです。 実は鍼で音楽家のFDを良い方に変化させること自体はそんなに難しくありません。変化...
左右の指先の感覚を校正する話
2021年10月28日
整動鍼尊敬する漫画家の大今良時さんが原稿の下描きを裏から描くという話をどこかのインタビュー記事で知りました。今さがしても元記事が見当たらず記憶が頼りですが、理由を2つほどあげていました。1つはアシスタントさんが先にペン入れしても下絵が消えないために(裏から光を当てて紙を透かして描いている)、2つ目はデッサ...
ある新興宗教と鍼灸の話題について
2021年7月29日
雑記少し前に、麻原彰晃が鍼灸師だったことで一連のオウム真理教事件と鍼灸のかかわりについてSNS界隈がかまびすしくなりました。麻原彰晃が鍼灸師だったのは事実です。地下鉄サリン事件の時僕は23才でまだ鍼灸になんの関心も持っていませんでしたが(鍼灸師になろうと思ったのはその二十年後)、このことはトリビア的知識...
理論家と臨床家の越えられない壁
2021年7月26日
整動鍼ルート治療の白川さんと整動鍼の栗原さんの対談を見ました。多鍼と少鍼という見た目上正反対の方法をとるお二人ですが、なぜそれぞれ独自の方法を採用するに至ったかの経緯は似かよっており興味深いお話でした。お二人とも経絡治療などの古典的方法を学んだものの臨床の場でそれを生かせない経験をした、というのが独自路線...
鍼管の先端に見えるもの
2021年6月30日
整動鍼先日、鍼師が使う道具、鍼管について書きました。 ≫ 内径の限界に挑む 鍼師が鍼管に求めるのは内径の細さだけではありません。むしろ先端の処理を気にすることの方が多いように思います。 この鍼管は内径1.5ミリで既製品ではもっとも細かったので試しに買いました。しか...
ある頚椎とアンブシュア不調の関係
2021年6月29日
管楽器奏者のアンブシュア不調遠方にお住まいのトロンボーン奏者の方がいらっしゃいました。初回が半年くらい前で今回は2回目。症状はアンブシュアの不調で吹いているとけいれんしたり息が漏れたりし、音が鳴らなくなるというもの。 施術前に吹いていただくと、半年空いたわりには改善した状態が保たれていました。前回の施術で吹奏...
病人をみるな、病気をみよ
2021年5月21日
整動鍼「病人をみるな、病気をみよ」とは18世紀フランスの医師たちの言葉だそうです。 現代なら「病気をみるな、病人をみよ」が正義です。鍼灸学校でも全人的医療ということを教えられます。鍼灸は主観情報と客観情報をわりといっしょくたに扱うことも多く、もとより「全人的」と言えなくもありません。とも...
金管楽器奏者のアンブシュア不調と側頭筋・咬筋の緊張
2021年5月8日
管楽器奏者のアンブシュア不調金管楽器奏者のアンブシュア不調でしばしば見られる症状に、中音域から低音にかけて音が鳴らないということがあります。人によっては高音域では何も問題なくスルスルと吹けたりします。ところが中音域から下になると別人のように音が当たらないのです。 大方のケースで第3倍音(C管ならG、B♭管なら...
鼻抜けを考える(2021年5月版)
2021年5月7日
管楽器奏者の鼻抜け音楽家専門の鍼灸をしていると一般的鍼灸院ではまず出会わない症状をみることがあります。その一つが管楽器奏者の鼻抜けです。 鼻抜けは管楽器を吹く時に鼻から息が出てしまう現象です。なぜ起こるか?簡単に言えば軟口蓋の閉鎖が不十分なために起こります。 ただしこの軟口蓋の閉鎖...
コミュ力はASDに学ぶ
2021年4月22日
雑記医療系の職種はコミュ力(コミュニケーション能力)が大事と言われます。この類の言葉として他にも、共感力、傾聴力などなど検索するといろいろ出てきます。 鍼灸師もこの種の力が必要と言われる職種です。人を相手にする仕事だからでしょう。技術職的な色合いがつよい一方で人の困りごとを解決するには...
二千年ぶりのシステム更新
2021年4月15日
東洋医学なんとなくの印象ではありますが、整体には脊椎の調整を重視する流れが多いように思います。 ウィキペディアにも整体は「現在、俗に用いられる意味では、カイロプラクティック(脊椎指圧療法)に似た骨格の矯正(主に脊椎)を目的とした手技療法を指して使われることが多い。」(≫ ウィキペディア)と...
音楽家のための鍼灸院の選び方
2021年3月17日
整動鍼音楽家にとって良い鍼灸院とは何かずっと考えています。 開業以来「音楽家のための鍼灸」の看板を掲げ続けているからです。 普通に考えれば鍼灸は健康になるためにあります。 「健康のための鍼灸」が正解です。 でも健康ってなんのためでしょ...
どんな鍼が音楽家の体の調整に向いているのか
2021年3月15日
整動鍼昨日は整体やマッサージと比べて鍼の方が音楽家の体の調整に適していることをお伝えしました。 では鍼ならどんなやり方でも良いのでしょうか。 そんなことはありません。 一口に鍼と言ってもいろいろなやり方があるからです。 たとえば凝って...
音楽家の体の調整に鍼が適している理由
2021年3月14日
整動鍼音楽家で体のメンテナンスをしない人はいないと思います。 こと職業演奏家であれば特にそうです。 メンテナンスと一口に言っても整体、カイロ、マッサージ、そして鍼などいろんな方法があります。 音楽家としての仕事内容を考えたときに、そのどれが自分にとって...
管楽器奏者の鼻抜けに関する医学症例
2021年3月4日
管楽器奏者の鼻抜け本番だろうがレッスン中だろうがいきなり演奏を強制終了させられる鼻抜け。 bodytune にも多くのご相談が寄せられています。 「鼻抜け」とは管楽器演奏時に口から楽器に入れるべき息が鼻から漏れることで楽器を鳴らせなくなる現象のことです。 これにつ...