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bodytune(ボディチューン)音楽家のための鍼灸

木管楽器の薬指問題を考える

" アレクサンダー・テクニーク "

2019年1月21日

先日、プロのオーボエ奏者の方がいらして、右手の薬指が動きづらいとのご相談を受けました。

 

もしかしたらディストニアではないかとの不安もあり(ただし病院は未受診)、また首、肩、背中のコリがひどいとの自覚からそうしたコリのせいで動きが不自由なのでは?と考えて、鍼灸と動きの改善(アレクサンダー・テクニーク)両面からアプローチできる僕のところにいらっしゃいました。

 

さっそくそのやりづらいところを実際に見せていただくと、確かにやりづらそうです。

 

相当に意識しないと動かないようなぎこちなさを感じました。

 

ご本人的には薬指をもっと上げたいのに上がらないので困っていました。

 

よく見ると腕があまり動かせていないように見えます。

 

そうさせているものが何なのか探る意味でも、まずは腕の自由化につながら提案をしました。

 

座奏から立奏に切り替えていただき、上半身をゆったりかまえて膝と股関節をややゆるめな感じで立ってもらいます。

 

こうすることで背骨がバランスをとって自立しやすくなり、ということは肋骨が自由に動きやすくなり、呼吸の動きから腕を解放しやすくなります。

 

さらに腕が鎖骨から始まっていることを意識してもらい、鎖骨、肩甲骨、上腕骨の構造ごと今よりも前の方に行かせてもらいます。

 

これで腕はより動かしやすく、同時に呼吸がよりしやすい体制を担保。

 

ここまで下準備したところでもう1度吹いてもらいましたが、結果はあまり変わりません。

 

そこで気づいたのは、前腕の回内・回外の動きが封印されていたことでした。

 

若干トリッキーなのは、右手は親指がサムレストにかかっていて、かつ人差し指や中指を押さえた状態で薬指を動かすケースが多いことです。

 

この場合、動きの軸は尺骨(小指側)ではなく橈骨(親指側)になります。

 

ということは腕全体が動くことになり、ぶれやすくなるので楽器保持の仕方にも少し影響が出てきます。

 

楽器を持ち支えるタスクに左手とアンブシュアも参加させることを強調しながら、右手の運指に回内・回外も使ってもらったら、めちゃくちゃ速い薬指のトリルをやり始めてこちらがびっくりしました。

 

薬指が上がらないと言っていたのも、明らかに上がるようになりました。

 

ここまで動きの改善の糸口を見出したところで、首、肩、背中の頑固なコリについては鍼灸で解消しました。

 

首から背中のコリと腕の動きは大いに関係あるので、あながち悪い予想ではありませんでした。

 

腕の動きなしに運指しようとすると指だけでやるしかなくなり、それは薬指や小指には不利になりますので。

 

残念ながら一度かなり反復練習して身につけてしまった(と思われる)この動きは油断するとすぐまた現れるので、新しい動きをていねいに身につけ直す必要があります。

 

この方の場合は数回で済むと思いますが、問題の解消を目指してこれからも頑張ります。

 

今回の動きを解説した動画を作りましたので、どうぞご覧ください。

 

ただし、オーボエは持っていないのでクラリネットで説明しています。

 

この記事を書いた人

2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。

2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。

はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師

 

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