整動鍼とアレクサンダー・テクニークの相乗効果(2)
昨日の続きです。
Tuba奏者の話の前に、指を痛めたピアニストの例で整動鍼とアレクサンダー・テクニークの使い分けのイメージを書きます。
こんな架空の設定でした。
仮にこのピアニストのふくらはぎに硬いこりがあったとします。
そしてそれゆえに椅子の座り方の癖を変えるのが難しく、したがって胴体の姿勢も腕の使い方も変えられず、指だけいじってもあまり改善が期待できないとします。
こんな時、整動鍼のツボでふくらはぎのこりを解除すれば、アレクサンダーのレッスンはかなり進んだ地点から始められます。
整動鍼の連動の理論では、ふくらはぎどころか下腿から腰椎へ、腰椎から胸椎へ、胸椎から腕へとこりを解除することができるので、アレクサンダーで関節の固めを解くことに注力する必要がありません。
「動ける」のが当たり前で「どう動くか」にもっと踏み込めるのですね。
1回の施術&レッスンでより先の段階まで到達できます。
つまり良くなったことを実感しやすいのです。
効果を認識すると人は納得します。
その場では良くなってもまた戻るのではないかと思う人もいるでしょう。
それはある程度そのとおりです。
ですがそれは受け止め方の問題でもあります。
楽器の演奏自体は患者さんが自分の体でやることです。
施術&レッスンの場であってもその事実は変わりません。
何年も原因不明の不調に悩まされてきた人が、良くなる方向で起こることを先取りして体験するわけです。
このことを進むべき方向が見える安心なり希望ととらえることもまた可能ではないでしょうか。
次回は三度目の正直で、アンブシュアに不調のあるTuba奏者の方への実際の施術&レッスンについて報告します。
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2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師