久しぶりに練習したら弾き心地にとらわれた
久しぶりに楽器(コントラバス)の練習をしました。
久しぶりであるがゆえに気がつくこともあります。
それは「弾き心地」にとらわれた弾き方をしていたということ。
演奏中、1人の人間の頭の中では3つの別の作業が行われています。
1つは演奏に必要な動作を実行するよう体に指示を出すこと。
2つ目は動いた結果生じる感覚を受け取ること。
3つ目は受け取った感覚を分析・評価することです。
別作業といっても実際には1人の人間の脳がやることなので、かなり意識的に行わないと混同します。
理想的には互いにばらばらで影響し合わない方が良いのです。
僕の場合は、2つ目を1つ目と混同していました。
言語化すると「感覚を実行するよう体に指示をしていた」になります(これ、伝わるでしょうか?)。
押弦の感じとか弓を弦にかませた感じというのを先に想定していて、その感じを得ようとする動作になっていました。
感覚はやったことの結果が脳に上げられるものなので、演奏動作としては使えません。
演奏動作は、具体的に何をどのタイミングでどのくらいどうするかです。
かなり意識的にここを整理してやってみたら、音の違いによく気がつくようになりました。
逆に言うとさっきまでは体の内的な「弾き心地」にとらわれていて音を聞いてなかったってこと。
音楽なんだからできの良し悪しは音でしか判断できません。
だったら上がってくる感覚で一番大事なのは音ですよね。
ある意味、押弦の感覚とか弓と弦がかんでる感じとかはどうでもよろしい・・・
今回書きませんでしたが、1つ目の前にゴールを決める(どんな音を出したいか、どんな音楽、フレーズにするか)作業があります。
3つ目の分析・評価はゴール設定に対して差分を考えることになります。
ここでもまた、2つ目と3つ目を混同して「分析・評価を感じる」が起こりやすいところなので要注意です。
これについてもたくさん書きたいことがありますが、今日は時間がないのでここまで。
この手の話をいずれきちんと整理してメルマガでシリーズ化したいな。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師