ロボットの足がスリム化してもまだ人間とは違うもの
かつてアニメのロボットはみんな足がでかかったです。
初代ガンダムのころはまるで板をはいたみたいな足でした。
それがエルガイム(これ分かる人は相当あれです(笑))あたりからきゃしゃなデザインが流行るようになり、エヴァンゲリオンでは人間と同じくらいまでスリム化されます。
まあ、あれはアニメだからと思っていたら現実のロボットも同じ進化をたどってますね。
ホンダの二足歩行ロボット、アシモを作った技術者によると当初は足が大きい方が安定すると思っていたそうです。
ところが実際に歩かせてみるとうまく行きません。
大きな足が床のでこぼこをひろいやすく、また接地の際の些細なズレが数歩歩くうちに増幅されて、どうしても転んでしまったとか。
それ以降、小さな足でバランスを取る方法が開発され、どんどん小さくなります。
最近のロボットではここまでスリム化しているようです。
人間の場合は足だけでバランスを取るのではなく、脊椎も関与して走ったり歩いたりします。
片方の足が上がるときに脊椎は微妙に側屈しますが、その際に椎骨1つ1つの回旋もともないます。
仮に脊柱が左に倒れる(側屈)とすると、頚椎は左回旋(棘突起が右に動く)、腰椎は右回旋(棘突起が左に動く)、胸椎は左右どちらもありえますが弯曲の中心を境に逆転するとされています。
歩行のリズムに合わせて胸椎のどこかをピークにした回旋運動の波があるイメージでしょうか。
これがうまく機能していると頭の位置がぶれずにスッとした印象になるし、背中を固めて脊椎を動かなくすると頭が左右に揺れるドタバタした印象の歩きになります。
長年続けた場合、膝や股関節によりダメージがありそうなのは後者ですね。
アレクサンダー・テクニークをやって膝が楽になったとはよく聞きます。
これも脊椎の動きの柔軟性で膝が受けていた衝撃をうまく逃がせるようになったと考えると腑に落ちる気がします。
初代ガンダムに出てきたジオングは「足なんて飾りです」の名セリフを残しました。
人間の足は飾りではないので、脊椎と一緒に長く健康的に使っていきたいものです。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師