整動鍼とアレクサンダー・テクニーク
先日参加した整動鍼のセミナーで体が動くためにはコリも必要という考え方を知りました。
今日は整動鍼のセミナー。
1か所で全身の動きが整うツボもすごかったですが、個人的なツボは「筋肉は均等に収縮するのではなく、体が動くためにはコリも必要」という発想でした。
ミミズロボットの動きを見て、コリがある本当の意味を思いました。https://t.co/pubNNjNc7W— くすのき@音楽家の悩みを解決したい (@shirabekapos) September 29, 2019
・筋肉は均等に収縮するわけではなく、コリやすいところとそうでないところがある
・同じ1つの筋肉の中にもコリやすいところがいくつかあって、全身となるとたくさんの点になる
・点と点を複数組み合わせて緊張させることで、コリはパターン化された動きを作る役に立っている
簡単に言うとそんな話だったと思います。
同じ動作を反復(パターン化された動きの繰り返し)すると特定の場所にコリが育つ(ひどいと痛む)のは経験的にも分かりますね。
コリが育ちすぎるとかえって動きを妨げるようになり終いには止まります。
一方で我々はコリがある前提で体の動かし方を覚えているわけです。
だからコリがないならないで、それも困ります。
動き方を忘れるのですね。
僕たちが問題にしなければいけないのは“過剰”な緊張。もし、緊張をすべて取ってしまうと動きのパターンを一次的に忘れてしまう。
これが、スポーツなどのパフォーマンス直前であった場合、「思うように体が動かない」という弊害が生じる。だから、緊張を取る際には必ず“過剰”分だけを取るのが鉄則。
— クリ助@鍼灸の遊び方 (@kuri_suke) October 1, 2019
アレクサンダー・テクニークのレッスンでは癖を扱います。
癖はパターン化された動きとも言えます。
楽器でもスポーツでもダンスでも、癖がじゃまになって上達をはばまれることがあります。
また癖が原因になって特定の場所をいためやすくなっていることがあります。
そんなとき、アレクサンダー・テクニークではいったん癖を取っぱらうんですね。
そのうえで新しい動き方を実験して、今までの癖と新しいのとどっちがいいか選び直すのです。
でも癖を取っぱらうのがうまく行きすぎる(?)といったん体が思うように動かせなくなります。
実際「レッスンを受けて帰るとき靴ひもの結び方を忘れてしまった」という話があるくらい。
整動鍼は治療なのでその人のもともとのパターンを消しては元も子もありません。
アレクサンダー・テクニークは(靴ひもの例はレアですが)元のパターンを別のパターンに置き換えます。
この2つを合わせてやってみたらどうなるか!
ヨガ・インストラクターのうちのかみさん、道子で試してみました。
かみさんにはずっと気になっている左足の動きがあります。
日常生活ではまったく問題にならない些細なものですが、ヨガのアーサナがそのせいでやりにくいと言います。
おそらく過去の怪我による古傷や手術の影響と思われますが、この手の癖はキャンセルが難しい。
身を守るための体の反応や傷をかばう動きと関係していたり、内部で癒着していて動かなかったりするからです。
この癖があるからアーサナができないことが分かっているので、アレクサンダー・テクニークを使って新しい動きを試したいのに、新しい動きはこの癖がある限りできない。
こういう状況におちいります。
たいていの癖はアレクサンダー・テクニークのレッスンで自然にキャンセルされます。
でも過去の防衛反応だったり、その人のアイデンティティと深く結びついている癖は時間がかかることが多いです。
こんなとき整動鍼のツボを的確に使うと動きを止めていたコリがインスタントに解除されます。
これは体の自動的な反応なので、怪我をしたときの恐怖心とかその人のアイデンティティとか関係なく起こります。
すると新しい動きが試しやすくなり、レッスンを先に進めやすくなります。
うちのかみさんは本人がアレクサンダー・テクニーク教師でもあるので、鍼をして動きやすくなると「あー、ここでこっちにも動けるんだねー」とか言いながら勝手に新しい動きを実験し始めてました(笑)
ただ、こういうやり方が万人に合うかどうかはよく分かりません。
バレエとか楽器演奏とかスポーツ選手とか、結果を出すために自分から変わる必要がある人の方が受け入れやすいような気がします。
もともとのパターンの変更って、ある程度、他人に自分を変えられる要素がありますからね。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師