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bodytune(ボディチューン)音楽家のための鍼灸

オーボエ奏者の指の上がりづらさに取り組んだレッスン

" アレクサンダー・テクニーク "

2019年2月1日

先日ブログに書いた右薬指を動かしづらくなってしまったプロのオーボエ奏者の方とのレッスン。

 

>>木管楽器の薬指問題を考える

 

ご本人に許可をいただいてその時の様子を掲載します。

 

 

一番気になるのは薬指を上げられないという症状でした。

 

初回のこの時のレッスンでは姿勢や腕の動かし方からアプローチして、ある程度上げられるようになりました。

 

その後の経過では、かなり気をつけてはいるのだが、何かのきっかけではまってしまうと薬指が伸び切った状態で固まってしまうとのことでした。

 

今回2回目のレッスンでも実際にやって見せてもらうと、確かに指がピンと伸び切ったようになっていました。

 

きっかけがある、ということはこれが起こる時と起こらない時があるわけです。

 

そんなことに留意していると、左手のオクターブ・キーを操作する動きがなんとなく気になりながら見ていました。

 

この時点でその意味はまったく分かっていません。

 

ですがちょっと思うところあって次のような提案をしました。

 

1.(座奏でしたので)楽器をももの上に横倒しにして普段吹く時と同じように右手を楽器にそえてもらい、適当にキー操作してみる。

 

→薬指の伸び切ってしまう動きは発動せず。

 

2.楽器を縦にし完全に左手だけで持って(キーに指は置かず管体の持てるところで持つ)、右手は普段構えるところにただそえてキー操作してみる。

 

→発動せず。

 

3.左手の指を全部キーに置いて(左手全閉)完全に左手だけでオーボエを支えるようにして、右手は普段構えるところにただそえてキー操作してみる。

 

→発動せず。

 

4.3の持ち方をして、右手の運指だけで音を鳴らしてみる(左手が疲れたらももにベルを載せてしまうのも良し)。

 

→発動せず。

 

5.普通に左手の運指がからむような音形パターンで音を鳴らしてみる。

 

→発動。

 

ここからうかがわれることは、楽器の重さを右手で持ち支える必要が生じた時に問題が発生することです。

 

オーボエのサムレストは右手にしかないので重さは右手にかかると思いがちですが、左手のキーを閉じた状態であればわりと左手も支えに協力しています。

 

運指の都合で左手の協力が得られなくて、かつ右手もキー操作しなければならない時。

 

この方の薬指の不調はここにきっかけがありそうなことが見えてきました。

 

まだ問題の解決にはいたっていないのですが、問題の範囲を狭めることにつながり喜んでいただけました。

 

今まで全部ダメで暗く塗り込められていたものが、意外と明るい部分も多くて暗いのは一部分だと分かりました。

 

これからの展開はおそらく、楽器を持ち支えるための動きと音楽に必要な運指とを協調して行う方法を探ることになっていくと思います。

この記事を書いた人

2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。

2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。

はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師

 

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