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bodytune(ボディチューン)音楽家のための鍼灸

アンブシュアが器用過ぎてかえって不調になった可能性

" アレクサンダー・テクニーク "

2018年12月9日

こんにちは!ハリ弟子です。

 

アンブシュア不調で一度は鳴らなくなるところまでいったクラリネットの生徒さんとのアレクサンダー・テクニークのレッスン。

 

前回ブログで取り上げた時は音階が難なくできるまでに回復したところでした。

 

>>一生忘れられない音階が聴けたレッスン

 

今はもう鳴らすこと自体は問題ではなく、体の使い方と音の関係性をいろいろ実験しながら結びつけていくワークをしています。

 

 

それはブレスをテーマにレッスンしていた時に気づきました。

 

肩甲骨を思い切り後ろに引いてブレスして吹く、いつもどおりの肩甲骨の位置でブレスして吹く、腕が鎖骨から始まっていて前の方で使えると考えて(結果的に肩甲骨も前に動く)ブレスして吹く、といった具合に体のある一部をわざと変えてみてブレスとの関係を探る、そんなレッスンでした。

 

どのパターンで吹いても、響きのある良い音色が鳴るのです。

 

普通、肩甲骨を思い切り後ろに引いて吹いたら胸郭が窮屈になって音色もちょっときつくなりそうなものですが、それでも他の吹き方と大差ない良い音に聞こえました。

 

そのことを本人に伝えると、自分の頭の中ではもっとずっと良い音で鳴らしていて、どんな姿勢であれ現実の音をその理想に寄せるような吹き方をしているとのこと。

 

そして理想に寄せるために体のどこを意識的に使っていたかというと、ほとんど唇まわりに集中していたことが分かりました。

かなり高いレベルでソルフェージュしていたということでこれはとても素晴らしいこと。

 

そしてほとんど唇まわりだけで音を理想に寄せていたというのも、アンブシュアの対応能力がとても高かったわけで本来であれば使えるスキルです。

 

しかしそこだけに頼り過ぎたためにアンブシュアが体の他の部分のリソースの代わりに頑張ってしまい、不調につながったのかも知れません。

 

もともと体の他の部分を使っていなかったのではなく、以前は無意識にうまくいっていたのでしょう。

 

その上で意識的に使っていたのが唇まわりだった、というのがおそらく真実だと思います。

 

無意識でもうまくいっていた体の他の部分がぎくしゃくし出した時、本当はそちらに原因を探るべきだったところが、もともと意識にのぼっていた唇まわりが気になってアンブシュアで対応し過ぎてしまったのではないか。

 

あくまでも可能性ですが、調子が安定してきていろいろな吹き方を試せるようになったのでそんなことを考えられるようになってきました。

この記事を書いた人

2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。

2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。

はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師

 

カテゴリー: アレクサンダー・テクニーク. タグ: , , , , , .
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