鼻抜けに取り組む(5)
こんにちは!ハリ弟子です。
クラリネット奏者の鼻抜けにアレクサンダー・テクニークで取り組むシリーズ第5回です。
レッスンを始めてから4回目、初めにいらしていただいてから1か月程たった頃のことでした。
「最近、喉の奥の痛みはないんですが、いきなり鼻抜けが起こっちゃうんです、、」
これは衝撃でした。
鼻抜けの「前兆」として喉の奥の痛みにアプローチしてきたはずが、痛みがなくても鼻抜けが起こるとしたら、やってきたことの意味がなくなってしまいます。
とにかくアレクサンダー・テクニークを使いながら、吹いているところを見せてもらいます。
頭が動けて(頭が脊椎から離れる方向に動けて)、体全体がそれについてきて(脊椎がついてきて、股関節、膝、足首も動けて、腕が自由に動けて、クラリネットを持ってリードが口に向かってきて)、、、
「もう無理です!」
生徒さんが突然吹くのをやめてしまいます。
ハリ弟子には何でやめたのかがよく分かりません。
「今、すでに鼻抜けが起こってました」
やめた所よりかなり前の小節からシューという音がしていて、少しずつ大きくなってくるそうです。
ハリ弟子にはシューは聞こえず、楽器自体は鳴っているので、鼻抜けを起こしていることが分かりません。
本人にしか聞こえないシューという音や息の漏れる感覚、、
分かりたくてもそれが無理な状況が目の前にありました。
どうしたら良いか分からないまま、その日のレッスンは何となく終えました。
そして、数日の間、シューという音の意味を考えました。
そういえば、生徒さんは一番最初に鍼灸治療の相談にいらした時「親知らずを抜いてから鼻抜けになり始めたので何か関係あるかな、と思って、、」と話されていました。
その時はあまり気にとめませんでしたが、後で考えると何かがひっかかります。
下の歯だったらとりあえず関係ありませんが、上の歯だったら、、
でもそんなことが本当にあり得るかな?
始めはまさか?と思いましたが、ずっと考えていたら、いやいやあり得るかもと思うようになりました。
親知らずの抜歯が鼻抜けの原因になる理屈です。
次回は、親知らずと鼻抜けの意外な関係に続きます。
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2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師