鼻抜けに取り組む(1)
こんにちは!ハリ弟子です。
先日、鼻抜けの悩みをかかえるクラリネット奏者の方がいらっしゃいました。
エチュードやコンチェルトなど休みのない曲を吹き続けると、数分で鼻抜けを起こしてしまい、それ以上吹き続けられなくなるとのことでした。
当初、鍼灸の施術を受けにいらしたのですが、差し迫った本番もなく、スケジュール的に余裕がある感じでしたので、むしろアレクサンダー・テクニークのレッスンをおすすめしました。
アレクサンダー・テクニークは、ある程度ポイントをつかんでしまえば、自分で奏法を修正・改善するのに役立ちます。
自分の吹き方に潜む鼻抜けの原因を探求し、修正方法を自分で見つけられれば一生ものです。
ハリ弟子はまだ正式なアレクサンダー・テクニーク教師ではなく仮免許ですので、半分はハリ弟子の勉強のために10回のレッスンをすることで快諾いただきました。
ブログでレッスンの様子をお伝えすることについても承諾を得ていますので、時々、こうして関連の記事を書いて行くことにしました。
初回の今日は、そもそも論として鼻抜けとは何か?です。
鼻抜けとは、管楽器の演奏において口から吐くべき息が鼻に抜けてしまい、楽器演奏が困難になることです。
通常、楽器を吹く時は図中の軟口蓋(なんこうがい)が上がって、喉と鼻の間に栓をします。
それで、楽器を鳴らすのに十分な空気を口に送ることができます。
鼻抜けの場合、何らかの原因で軟口蓋が上がらなくなり、息が鼻から抜けるようになります。
そうすると管楽器で音を鳴らすのに十分な空気を口から出せなくなり、演奏ができない状態になります。
人により、高い音を吹く時に起こりやすい、長く吹き続けていると起こる、などいろいろなケースがあり複合的な要因が重なって起こるようです。
まれにですが、生まれつき上あごの形に問題をかかえる人もいます(口唇口蓋形成不全)。
軟口蓋は上あごにあるので、当然、軟口蓋の大きさや形にも影響があって、息が常に鼻から抜ける症状が出やすくなります。
現代では幼少期に手術等で治してしまうことが多いので、本人も知っているとは限りません。
知らずに鼻抜けで悩んでいる場合もありますので(希少ケースだとは思いますが)、病院で検査してもらうことも時に必要です。
ちょっと専門的ですが、日本形成外科学会のサイトが詳しいです。
次回以降、実際のレッスンについてレポートして行こうと思います。
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2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師