吹奏楽の漫画
最近、吹奏楽の漫画にはまっています。今やこのジャンルの作品は多く出されていてもはや戦国時代です。
私が中高生のころには吹奏楽を描いた漫画はありませんでした。サッカー、野球、柔道など運動部ものはメジャーな作品がいくつもありましたが吹奏楽の漫画は記憶にありません。
しかし人数だけ見れば吹奏楽部が最大勢力だった学校はけっこうあるのではないでしょうか。文化庁の調査によると単独の部活動としては吹奏楽部は中学校で1番、高校では2番目に人数が多いようです(≫ 文化庁の調査)。
大会(=コンクール)での勝ち負け、ライバルとの競争、人間的成長、友情、恋愛など、スポーツで描けて音楽で描けない要素はありません。
同じ文化部の漫画でありながら百人一首を扱った『ちはやふる』は大人気でなんと50巻まで連載されました。漫画の世界では吹奏楽はかるたよりマイナーなのです。
描かれなかった理由は想像がつきます。とにかく楽器を描くのが面倒、これにつきます。
まず楽器の構造が複雑で線が多いため描くのに時間がかかります。
またサイズ感が少しでも狂うと不自然になります。たとえばテナーサックスよりアルトサックスの方が大きかったら変だし、ホルンの直径とトランペットの長さの配分も気になるし、クラリネットがオーボエより細いのはおかしいなどバランスへの配慮が格段に増えます。人物に構えさせると腕の長さや身長との対比にも気を配らなければなりません。ああ、めんどくさい。
さらに管楽器は口と両手が楽器と接するよう描かなければなりません。手と口の位置関係が固定されるので躍動感を出すには不利です。
とネガティブなことばかり書いてきましたが、制約をものともせずいろんな作家さんが描いてくれています。音楽家のコンディション調整をしている身としてはこの動きを盛り上げないわけには行きません。
そこで今回は私が読んでいる吹奏楽の漫画、『宇宙の音楽』『BLAST』『朝子のムジカ‼』を紹介しようと思います。
次回、まず山本誠志さんの『宇宙の音楽』から。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師