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bodytune(ボディチューン)音楽家のための鍼灸

翻訳をしながら思う言葉のあれこれ

" 雑記 "

2020年12月20日

ピーター・ノブスの本 “Mindfulness in 3D: Alexander Technique for the 21st Century” の翻訳作業をすすめています。

 

Peter Nobes "Mindfulness in 3D"

 

翻訳とは楽しくおもしろい仕事であると同時に怖いものでもあります。

 

ちょっと前にオバマ前大統領が回顧録で鳩山元首相を酷評した(実際はしていないのに)とのニュースがありました。

 

≫ オバマ氏は鳩山氏を「感じ良いが厄介な同僚」と思ってた? 回顧録報道の和訳に疑問

 

この件はちょっとした文法的知識の有無で訳文の印象が180度変わってしまう話です。

 

こういうことがあるから怖いのですね。

 

僕は文法とか決まった言い回し系にあまり強くないので、まさかと思われるような簡単な表現でもけっこう調べます。

 

原文を読むときは楽しみながらさっさっと行けるのに日本語に倒すとなった途端、1つの訳語を決めるのに10分くらい悩むこともあります。

 

逐語訳すればリスクは減りますが、英語を分かっている人でないと逐語で訳された日本語が理解しづらいという欠点があります。

 

そもそも英語分かってたら原文読むでしょという話でもあり、だったら訳す意味はありません。

 

かといって自分の解釈を先に立てて、自分のその考えを日本語で書いたらこうなるというのも自由過ぎます。

 

日本語としてはとっても分かりやすいと思いますが、それはもはや翻訳ではありません。

 

原著者の考え、原著者の考えに触れて自分が考えていること、原著者の考えを自分以外の人に分かりやすく共有するにはどうすればよいか、これらのバランスに常に意識的にならざるを得ません。

また文章ごとの論理的なつながりの良さも大事なポイントです。

 

間違ってはいないけどただただテンポが悪い、頭にすっと入ってこない文章は、なにかがまだ練れていません。

 

原著者の側が練れていない場合は仕方ありませんが(こちらの責任ではない)、自分の理解が練れていない場合はなんとかする必要があります。

 

章全体、あるいは段落全体などの落としどころを考えて、広い範囲で訳文に修正をかけます。

 

しかしこういう工夫はYAHOOニュースの投稿者が批判するニュアンスのすり替えと紙一重なのでとても慎重です。

 

原著者の意図を伝える目的のためにその方が良いということが自分で説明できるようになったとき、初めて訳文を確定できます。

 

そのようなわけで現在、訳出作業は3巡目くらいでしょうか。

 

あと2巡くらいしたら人に見せるのにOKが出せるような気がします。

 

もうひとふんばり、がんばります。

この記事を書いた人

2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。

2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。

はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師

 

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