ウェブサイトとコミュニケーション
最近、ウェブサイトを作り直しています。
鍼灸院がサイトを持つ意味はコミュニケーションです。
みなさんが困っていることを解決する力があればそこに需要と供給が成り立ちます。
しかし鍼灸院がなにを解決できるのかみなさんが知らなければこの両者が出会うことはありません。
そこで自分の院がなにをできるのか、ウェブサイトに書くわけです。
そしてもう一つ、みなさんが何に困っているかをこちらが知っていなければなりません。
今のサイトの形にしてからすでに5年ほど経っています。
本当はやらなきゃいけないと思いながらなかなか取りかかれずにいたことがあります。
それは「適応症状」のページです。
鍼灸が効果的な症状ってなんとなくふわっとしています。
要するに「なんにでも効く」ってイメージはないでしょうか。
「なんにでも効く」っていいことに聞こえますが逆に僕はこれに苦しみました。
患者さんが知りたいのは自分が苦しんでいる特定の症状に効くかどうかです。
だから検索サイトに打ち込むのは「背中 痛み」とか「指 曲がらない」とかその症状を表す言葉です。
ウェブサイトが「なんにでも効く」というメッセージを発していて良いわけがありません。
「背中 痛み」だったら背部痛について情報発信すべきだし、「指 曲がらない」だったらばね指や腱鞘炎について書くべきです。
しかし鍼灸院の側からするとそういう特化型のサイトにするのは怖いんですね。
なにかに特化するとそれ以外の患者さんが来なくなるんじゃないか、それで経営は大丈夫なのかと心配になります。
だから専門を決めるというのは博打です。
bodytuneの場合は「音楽家専門」にした時点ですでに博打を打ってます。
そこからさらに症状別の博打を打つ勇気、サイトを作ったころの僕にはありませんでした。
それでできあがった「適応症状」のページがこちら。
↓↓↓
見事に「なんにでも効く」オーラを発してますね(笑)
しかし5年経ってあらためてカルテを見直すとこんなにいっぱい症状みてないです。
「音楽家専門」の中でも多い症状とそうでもない症状があります。
だから思い切って、これまで多くみさせていただいた5つに絞り込むことにしました。
↓↓↓
症状の表現も患者さん本人の口から発せられた言葉を参考にしてます。
医学的には手根管症候群とか肘部管症候群という正確な名称がありますけど、もっと分かりやすく「しびれ」でいいじゃないですか。
あるいは「口・唇」と書くより「アンブシュア」と書いた方が管楽器奏者にすんなり通じるなら、一般の人が見て分かんなくても「アンブシュア」でいいです。
コミュニケーションは投げかけてレスポンスがあって、また投げかけてレスポンスがあっての繰り返しです。
だから今のやり方が正解かどうかは分かりません。
しばらくしたらまた変えるかも知れません。
ただ、こういうプロセスそのものがわりと楽しいし、bodytuneという鍼灸院を育てていただいてるなあと実感します。
僕のイメージでは、情報を詳しく見たい人には深掘りすればとことん詳細な専門的情報が用意されている一方、すぐにでも相談したい人には手数をかけずコンタクトができるような、うまく交通整理されたサイトが理想です。
今はそのための第1段階。
トップページの「フォーカル・ディストニア」から飛べる詳細ページができたら、次の段階にすすむ予定です。
楽しみにしていてください。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師