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bodytune(ボディチューン)音楽家のための鍼灸

腕が揺れても吹ける奏法

" ふるえ・ゆれ "

2020年3月6日

楽器を構えると腕が揺れてしまうトランペット奏者の方が定期的にいらしています。

 

鍼灸とアレクサンダー・テクニーク両方の良いところを使って取り組み始め約1年が経ちました。

 

揺れる原因は良く分かりません。

 

病院にもかかっていますが命にかかわるような深刻な病気はないようです。

 

揺れるのでマウスピースをアンブシュアに当てるのがひと苦労です。

 

腕を脇に固定して揺れを防ぎながら楽器を持って、その楽器の位置に顔を持っていくようにして構えます。

 

当然、首や肩そして背中に負担がかかりますし、ブレスのためにも有利な体勢とは言い難い。

 

通い始めた当初はこの揺れをなくせば良いと考えていました。

 

揺れさえなければ体の負担が少なくブレスもしやすい体勢で楽器が構えられるからです。

 

そして一般的な意味で「普通」に「良い」構え方ができます。

 

今思えばそれは間違った考え方でした。

 

と言うのも約1年取り組んでみて、この方の腕の揺れは減りこそすれ消えてはいません。

 

それでも吹けるし音もいいんですね。

 

よく観察したら、アンブシュア・モーションの整合性が取れているのに気づきました。

 

アンブシュア・モーションは腕でコントロールできるなら楽器を動かすことで対応しますが、腕を固定しているので頭や首の動きが頼りです。

 

それで完璧に対応しています。何の問題もありません。

 

思い返してみると当初は脇に固めてもおさえ切れないくらい腕が揺れてアンブシュア・モーションの判断も困難でした。

 

揺れが消えないまでもアンブシュアがコントロール可能なレベルになったわけです。

 

当初の「揺れ」だけにこだわっていたらここまで来られなかったと思います。

 

鍼灸ではこの体勢ゆえの体のコリを取って動けるコンディションにすること、アレクサンダー・テクニークではどう動くかのやり方を探ってきました。

 

今後、揺れが完全に消えることがあるのかは分かりません。

 

でも今は揺れても吹ける、しかもいい音でという事実があります。

 

そうなったとき自然と現れたのは一般的な意味での「良い」構え方でも姿勢でもなく、その人なりに整合性のとれた奏法でした。

この記事を書いた人

2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。

2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。

はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師

 

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