タバコと聴力って関係あるの?
こんにちは!ハリ弟子です。
今日は、喫煙するミュージシャンには不都合な話題かも知れません。
『喫煙及び禁煙と聴力低下のリスク』(クリックで元記事にとびます)
という研究が国立国際医療研究センターから発表されました。
5万人を最大8年間追跡した結果、喫煙が聴力低下のリスクを高めることが明らかになったそうです。
ニコチンには毛細血管をぎゅっと締める作用があり、血流が減ることは昔から分かっていました。
また、突発性難聴に関する研究では、内耳の虚血状態と難聴の関係が多く示唆されてきました。
なので、喫煙と聴力低下に関係があるだろうなくらいの想像はついていたのですが、数字に基づいてはっきり言われてしまった感じです。
ハリ弟子も、ミュージシャンには酒とタバコと〇〇〇と△△△が付き物であるくらいの価値観を(良い悪いは別にして)多少は共有している世代なので、ちょっと寂しい気もしますが、健康に悪いものは悪い、これは事実です。
初めてタバコを吸うと、ニコチンによる強烈な血管収縮作用で脳が酸欠になり、頭がくらくらしたりします。
脳に向かう血流は主に椎骨(ついこつ)動脈という血管で供給されています。
よく柔道の締め技などで落とす時に頚動脈を圧迫しますが、それとは別のルートです。
椎骨動脈は、頭蓋骨の中に入ってから一部が枝分かれして内耳に向かいます。
だから、タバコを吸って頭がくらくらしている時は、内耳の血流も同時に影響を受けているはずなのです。
突発性難聴の患者さんへの鍼灸治療では、首肩の強固なコリや喉の奥の緊張を取り去ることで、椎骨動脈の血流を改善することをまず考えます。
そのくらい大切な血管と言えるでしょう。
不健康なことをあえてやるのがカッコ良さの象徴だった時代はとうに過ぎて、ミュージシャンと言えども健康を意識しないとやっていけない時代なのかも知れませんね。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師