顔を横に向けると首がつれる(フルート奏者の首こり)
整動鍼のモニターを受けていただいているフルート奏者の患者さん。
顔を左に向けると向けた側の首がつれるように痛みます。
フルートという楽器は顔をやや左に向けないと構えるのが難しいのですね。
ふだん何気なく見ちゃってますが、患者さんの構え方を見てあらためてそう思いました。
顔がまっすぐ前を向いたまま構えると腕が窮屈そうで、ブレスも少し苦しそうです。
聞いてみるとやはり速い運指がやりづらいのと、多少音にも影響が出ているとのこと。
これをそのままにしておくと腱鞘炎など手指のけがや、背中の呼吸筋がビキっといく(ぎっくり背中)などのリスクが高まります。
こうした症状はまさに整動鍼の得意とするところです。
最初の1、2本の鍼で左向き問題は解決してしまいました。
予防の意味で体の他のところの動きの固さにつながっているツボに鍼をしてこの日は終了。
構えるのが楽になっただけでなく指もブレスも楽になり、音まで響くようになりました。
翌週、2回目の施術であらためて首の状態をうかがうと、それよりも胃腸の調子を相談されました。
モニターは3回で効果判定する約束でしたが、1回目で解消してしまったようです。
整動鍼でも胃腸の症状に対応することは可能ですが、残念ながら僕がまだその分野をカバーしていません。
なので以前の鍼灸のやり方で対応しました。
整動鍼のモニターで受けてもらってるのにあっさり行きすぎて整動鍼使えないという・・・
もちろんこんなに出来過ぎることばかりじゃないですよ。
複雑な症状は効くツボの特定に頭をひねる時間が余計かかります。
打っても無駄打ちになる鍼もあります。
ですが正確に取れてたら体が予測どおりに反応するのが整動鍼のツボです。
無駄打ちの鍼でもその結果を見て次の仮説を立てられるので結局役に立つんですね。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師