ヴァイオリン、ヴィオラ奏者と首こり・肩こりの関係
こんにちは!ハリ弟子です。
ヴァイオリンやヴィオラの奏者で首こり・肩こりと無縁な人はいないのではないでしょうか。
この2つは楽器を鎖骨と顎ではさんで弾く関係で、どうしても首から背中にかけて動きが制約されてしまいます。
そのため首から肩、背中にかけてがガチガチになりやすいのです。
アレクサンダー・テクニークでは「頭が動けて、、」ということを言いますが、楽器演奏に必要とされる動きと両立させながらやるのが難しい部分があるのは確かだと思います。
でも、Marjory Barstowのレッスン動画でヴァイオリンの生徒さんが見事にそれをやっているのがあるので、もちろん不可能ではないです。
ハリ弟子もBody Chanceのレッスンで何度もこういう場面を見ています。
こういう楽器の方が鍼灸にいらした場合は、頚椎~胸椎の回旋の動きを診ます。
わりに多くの方が背骨がまっすぐのまま楽器を構えようとしますが、実際には背骨の回旋の動きがないと無理です。
構える姿勢の中に「背筋をまっすぐ伸ばして」的なアイデアが潜んでいたとしたら、無理なことをやろうとしてかえってコリをひどくしている可能性もあります。
加えてオーケストラの場合は2人で1プルトを組みます。
楽譜との位置関係を自分だけで決められず、見づらい姿勢のまま我慢して長時間リハーサルなんてこともあります。
頚椎~胸椎が固定されていて椅子にも「まっすぐ座らなきゃ」というアイデアがひそんでいたとしたら、本来は回旋に向かない腰のあたりで体を回そうとしているかも知れません(この場合は腰痛もついてくるでしょう)。
なので鍼灸では背骨の出っ張り(脊椎の棘突起)の辺りに鍼を入れて脊椎の動きを良くします。
これで首こり・肩こりや背中の痛みが良くなることが多いです。
また先日はコントラバス関連のブログで腕は前の方で動かしやすいことを書きましたが、ヴァイオリンやヴィオラについても同じことが言えます。
しかしそれなりの長さのあるものを(約60~70㎝)体の前で持つという印象からか、背中を少し後ろにそらせてバランスを取る動きをよく見ます。
もしかしたら背丈のなかった子供の頃にそういう構え方で本当に重さのバランスを取っていたのかも知れません。
でも背中を後ろにそらせた姿勢では肩甲骨が後ろに引き寄せられやすく、腕を前の方で使うのが難しくなります。
ヴァイオリンやヴィオラの楽譜は他の楽器と比べても基本的に真っ黒でかつそれがずっと続きます。
機能しにくい状態で左手の運指や右手のボウイングを楽譜の要求どおりこなそうとしたら、首、肩、背中への負担も相当です。
骨格や筋肉など体のデザインに合わせて楽できるところは楽をして、やりたい音楽の方にもっと気持ちを注げるといいですね。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師