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bodytune(ボディチューン)音楽家のための鍼灸

最近の施術(打楽器奏者の首から腕にかけての突っ張り感)

" 整動鍼 "

2020年11月27日

2か月ぶりご来院の打楽器奏者の方。

 

もともと左手にフォーカル・ディストニアがあり、ロールが続くと手首が固くなりマレットを握り込んでしまう症状で前回はいらしたのでした。

 

今回は手首や握り込みの症状は改善していて、首の左側から腕にかけての突っ張り感のご相談。

 

不安があるのはやはりロールが続いたときでした。

 

まずフォーカル・ディストニアの主症状が2か月出ていないことに驚きました。

 

この病気の転機は本当によく分かりません。

 

個人的にもがき工夫することでなぜか良くなってしまう方もいるし、あらゆる治療法や奏法を試みてもうまく行かない方もいます。

 

ある種のフォーカル・ディストニアの方は鍼によって筋肉のテンションを変えることで症状が改善することがあります(全部とは言いません、だから「ある種の」です)。

 

この方もそうした「適合者」だったのだと思います。

 

とはいえ首の左側から腕にかけての突っ張り感はまだ残っていてこれは前回にもあった体の状態なので、フォーカル・ディストニアを起こす根っこにこの症状があるのかも知れません。

 

逆に言うとこの突っ張り感を生む体の状態をうまくいなしてコントロールすることで、手首のこわばりやマレットの握り込みといった決定的症状に至るのを防げるのではないか、そんな考えで施術にのぞみました。

 

主に背中のツボを用いて首の左側から腕にかけての張りに対処し、試奏してもらいます。

 

おおむね違和感はなくなりました。

 

ここでさらにロールのときの動きを観察すると、左右の腕に合わせて脊椎も左右に細かく揺れています。

 

脊椎全体で見ると波が伝わるような動きです。

 

苦手なパターンをやってもらうとロールしながらのクレッシェンド、デクレッシェンドなどの場面で、脊椎の波が攪乱されるように見えます。

 

この攪乱にブレーキをかけてなんとか制御しているのが首の左側から腕にかけてだとしたら、脚にもっと波を流したらどうだろう?

 

そこで股関節の動きに関わるツボを追加したのが今回の新たな試みでした。

 

うまく行けば限界のレンジをもう少し拡張し、症状の発現を遠ざけられるかも知れません。

 

また2、3か月後にフィードバックをいただいて、新たな取り組みにつなげられればと思っています。

この記事を書いた人

2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。

2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。

はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師

 

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