左手首の痛みでチューバの上げ下げがつらい(鍼灸施術例)
今日は鍼灸症例をご紹介します。
遠方から出張で上京していたプロのチューバ奏者の方。
1週間ほど前から左手首が痛くなり、なかなか引かないので心配になっていらっしゃいました。
楽器はフロント・アクションなので、上げ下ろしで重さを支えるのが主に左手になります。
ご使用の楽器は知る人ぞ知るかなり重くて頑丈なチューバです。
もともと左手は腱鞘炎をやったことがあってそれとの関係もあるかもとおっしゃっていました。
痛みの出る動きを再現してもらうと、左前腕回外+掌屈で前腕後面に痛みが出ます。
触診すると左前腕伸筋群のうち何本かがとても硬く、上腕二頭筋短頭も硬くなっています。
腕を多少動かしてみても抜けません。力がオンになりっぱなしのようです。
関連する脊椎のツボと肩甲骨のツボを使って鎖骨・肩甲骨という腕構造の土台部分から可動性を回復します。
次に上腕二頭筋短頭の硬さを取ると、前腕伸筋の硬さはおおむね解除されました。
最後にアレクサンダー・テクニークのハンズ・オンで腕の動きを筋肉に再学習させます。
ハンズ・オンは知らない人からすると手で触れてるだけに見えます。
筋肉は強く押したり動かしたりするとかえって縮んで固まるように反応します。
ハンズ・オンではほとんど触れるだけで微細にガイドすることで、筋肉が伸びながら動ける状態にもっていきます。
リハビリの運動法ともマッサージともまったく違います。
この得体の知れないスキルを身につけるのにアレクサンダー・テクニーク教師は3~4年かけるのです。
最後にもう1度、さっきの痛む動きをやってもらうと「あれ?痛くない」
何度動かしてみても痛みを誘発することの方が困難になってしまいました。
ここまで痛みが取れるとは思ってませんでしたが、患者さんがよほど良かったのでしょう。
痛い時の腕の動かし方を探し出すとまた戻ってしまうので「(痛かった)過去は忘れましょう!」とお声がけして終了。
2日後にメッセージすると、それから痛みはあまりなく良好とのお返事を新幹線の車中からいただきました。
お役に立てて良かったです。
今月末、音楽家のアレクサンダー・テクニーク 2Days レッスン会を開催します。
管楽器奏者の鼻抜け、音楽家向けヨガ、弦楽器奏者のお悩み解決がテーマです。
また、あさって3月3日には江古田で月1定例グループ・レッスン会もあります。
詳しくは↓こちら↓をご覧ください。
音楽家のアレクサンダー・テクニーク 2 Days レッスン会
3月30日(土)9:30~12:30
セッションA:クラリネット・オーボエ・サックス奏者のための鼻抜け相談&レッスン会(アレクサンダー・テクニーク)
講師:楠 洋介(アレクサンダー・テクニーク教師/鍼灸師)
3月31日(日)9:30~12:30
セッションB:音楽家のためのヨガ&アレクサンダー・テクニーク(姿勢でわかること)
講師:楠 道子(アレクサンダー・テクニーク教師/ヨガ・インストラクター)
3月31日(日)13:30~16:30
セッションC:弦楽器奏者の悩みにこたえる相談&レッスン会(アレクサンダー・テクニーク)
講師:楠 洋介(アレクサンダー・テクニーク教師/鍼灸師)
いずれも場所は、スタジオI-LAB(渋谷区千駄ヶ谷3-21-6 外苑MKビルB1)
参加費(1コマ分)は、通常 7,000円、早割 6,000円(2月中のお振込)
※2コマ分ダブル参加の場合 → 通常 12,500円、早割 10,000円(2月中のお振込)
お申し込み、または質問・問い合わせを、お電話(080-5899-5203)またはメール(office@btune-hariq.com)よりお願いいたします。
江古田でアレクサンダー・テクニーク グループ・レッスン会やってます
次回は、2019年3月3日(日)15時~17時 定員は6名まで
場所:江古田のbodytune鍼灸マッサージ院内スタジオ
参加費:4,000円
1人20分程度のレッスンを順番に行なって、みんなでシェアします。
申し込み、お問い合わせは080-5899-5203までお電話か、office@btune-hariq.comまでメールください。
または、お問い合わせフォームのページから送信いただいてもけっこうです(>>ご相談・お問い合わせ)。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師