クラリネット奏者のアンブシュア疲労に鍼灸で対応
こんにちは!ハリ弟子です。
先日、スイスでご活躍されているクラリネット奏者の大谷 淳子さんがいらっしゃいました。
ご本人の承諾を得てbodytuneでの施術についてブログに書かせていただきます。
大谷さんは国立音大からパリとジュネーブの音楽院に進まれ、ルツェルンやトーンハレなどのオーケストラで活躍された後、現在はクラリネットとアレクサンダー・テクニークを教えながら精力的に演奏活動を展開されています。
普段はスイス在住ですが、この夏は約1か月、クラリネット講習会とコンサートのために帰国されていました。
bodytuneにいらしたのは、コンサートのための練習をしていてアンブシュアの筋肉が疲労してしまったためのメンテナンスで、本番4日前と前日にいらしていただきました。
以前、練習のし過ぎでアンブシュアを酷使してしまったことがあり、それ以来、練習継続が難しくなるくらいばてることがあるそう。
ハリ弟子も最近になってクラリネットの真似事みたいなことを始めて分かりましたが、クラリネットというのは表情筋をものすごく使う楽器なんですね。
どこがどのくらい疲れるものなのか、自分の身体感覚的にもイメージしやすかったのが幸いでした。
もっとも国際的プロ奏者と超初心者を比べるのもおこがましいですが、、
メインで使ったのは顴髎(かんりょう)と禾髎(かりょう)といういずれも顔面のツボです。
顴髎は頬骨筋(きょうこつきん)という口角を上げる筋肉に、禾髎は口輪筋(こうりんきん)に関係があります。
施術後は頬にあった筋肉のかたまりがゆるんでずいぶんと楽になっていただけました。
また腰にも違和感があるとのことでしたので、関係するツボを腰と足で3か所ほど足してこちらも解消しました。
それにしてもプロフェッショナルの方は体の感覚が繊細な方が多い気がします。
前にも合谷(ごうこく)という手のツボに鍼をした瞬間に顎関節の変化を感じ取ったトランペット奏者の方がいましたが、大谷さんもほんの1mmくらい鍼を入れただけで「あ!」と変化を感じ取っていました。
だからこそ高いレベルで吹き方を変えられるのでしょう。
鍼による調整も繊細さが求められます。
増して今回はコンサート直前というタイミング。
こちらも緊張感をもって施術しました。
そして迎えたコンサート当日、、
ハリ弟子もかみさんと一緒に聴きに行きました。
安定の吹きっぷりで特に共演者への合図の出し方、フレーズのひろい方など、このレベルの方はやはり意図が明確ですね。
素晴らしい演奏にアンブシュアのことなど忘れてただ聴き入っていました。
終演後にご挨拶にうかがいましたら(撮影かみさん)、アンブシュアはしっかりケアされて大丈夫だったとのこと、安心しました。
終演後のお忙しい中、ありがとうございます。
毎年帰国してクラリネットの講習会などを企画されているので、楽器をされている方は大谷さんのホームページをぜひチェックしてみてください。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師