頭と首から始める理由
こんにちは!ハリ弟子です。
昨日は久しぶりにBody Chanceで校長Jeremyの授業でした。
Jeremyの授業では、最初に生徒全員にハンズ・オンして体を動かさせることが多いです。
昨日もJeremyが1人ずつハンズ・オンするところから始まりました。
「頭が動いて、体全体がついてきて、、」
そういえば、なぜ、アレクサンダー・テクニークでは頭から始めるのでしょうか?
人によっては、頭の次に「首を自由に(Neck free)」を加えることもありますが、いずれにせよ頭→首→体の他の部分、という流れは変わりません。
なぜでしょう?
アレクサンダー・テクニーク業界?でよく語られるのは、ルドルフ・マグナスという生理学者が発見した動物の反射の動きでした。
Wikipediaのルドルフ・マグナスの項目には、”The head and neck reflexes of mammals cause the body to follow automatically when the head moves.(哺乳類の頭・首の反射は、頭が動く時に体が自動的についていく動きを誘発する)”とあります(おおもとの論文は見つけられませんでした)。
これを根拠に、アレクサンダー・テクニークの教室では、頭の動きが体全体を支配するというように教えられます。
しかし、ここではもっとシンプルにハリ弟子の経験から考えてみます。
いえ、実に単純な理由です。
全身が緊張して固まっている人がいるとします。
その人の緊張を下からゆるめてしまったら、ケガをしやすいのです。
膝から上がかちこちなのに足首がゆるゆるなら、足首を捻挫しかねません。
背中より上がかちこちなのに腰椎だけゆるめたら、腰をいためかねません。
上からの重さは下にかかります。
上から順番に動ける状態になっていれば、負荷が分散して1か所に集中しないので、リスクを減らすことができます。
武道では、逆に下から作っていくことが多いと思います。
文字通り「足腰」を鍛えて、試合中、「動ける」体にすることを優先します。
闘うための術ですから、足がもつれるようでは、どんなに頭が動けても負けます。
目的に応じた、その必然性は理解できます。
でも、下から作りながら、同時に動ける頭と首があって下の動きと統合させられれば、より全身の動きがスムーズになってケガもしにくくなると思います。
結局は、全体の動きに帰ってくるという意味では、目指すところは同じだと考えています。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師