手で聞く
こんにちは!ハリ弟子です。
昨日はコントラバスの構え方を試して、楽器から受ける重さと、自分の身体が楽器に寄りかかる加減の折り合いをつけて、両方ともに動きやすいところを探ってみました。
この時、楽器が自立できるような状態を作るのと同時に、演奏する側の自分の体も変な力を入れずに自立している必要があります。
でないと、楽器に対して余計な寄りかかりをしてしまい、楽器も自分も自由に動ける状態から遠ざかってしまいます。
何かに似てるなあ、、
そういえば、Body Chance校長のJeremyがこんなことを書いていました。
手で聞く
「想像してほしいのはあなたが手で、何かの物体をそれの中心軸によって立たせようとする、図6のような場合です。あなたはそれの重さを引き受けずに、しかもそれに寄りかかるのでもありません。そこであなたと物体は別々のバランスを保っています。」
図6は、木の棒を立てておいて、両手ではさんでいる絵です。
両手ではさんではいますが、実際には木の棒は自立しているので、手はそこにいるだけです。
棒を支えているわけではありません。
Jeremyはこう続けます。
「矛盾するようですが、同時にバランスの相互依存関係があります。たとえば、物体がバランスを失うごとに、あなたはやさしく修正します。あなたのほうが物体に重さをかけすぎ、それがまた倒れそうになったら、あなたはさらにそれを修正します。このような絶えざる修正は、物体のバランスを聞くことによってのみ可能になります。変化に気づき反作用することが早ければ早いほど、あなたの努力は少なくてすみます。」
これは、アレクサンダー・テクニークの先生が生徒さんに触れる時の手の使い方を解説する章に載っています。
そうか、手の使い方というのは何に触れる時にでも学ぶことができるのですね!
コントラバスを自立させながらハリ弟子が思ったのは、手で触れていると言いつつ、自分の体全体も自立しながら触れていないと、余計な寄りかかりをしてしまうことでした。
やはり、自分の全体が大切でした。
こういったことは、鍼灸で患者さんに触れて脈を診る時、中の様子を知る時、ツボを定める時、鍼を扱う時にも大変役に立っている気がします。
アレクサンダー・テクニークを学びながら、演奏や鍼灸の治療で実践してきたことは、ハリ弟子にとってけっこう大きな財産になっています。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師