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bodytune(ボディチューン)音楽家のための鍼灸

テクニックはつきつめれば音を2つに分けるだけだけど

" アレクサンダー・テクニーク "

2020年1月20日

難しいところだけ取り出すとできるけど、全部通すとうまく行かない。

 

長い間この問題に悩まされてきました。

 

僕はもともとチューバを吹いていて、かなりおっさんになってからコントラバスに変わった人です。

 

同じ低音だから似たようなものと思いきやけっこう違っててとまどいました。

 

曲にもよりますがチューバは長い休みの後で一発必中を求められます。

 

コントラバスは(他の弦楽器ほどでないにせよ)あまり休ませてくれず、次々課題が降ってくるテトリスみたいな譜面です。

 

難しさの種類が違います。

 

で、あるとき思いました。

 

金管楽器は単音でもそもそも当てるのが難しいことがある(高音など)のに対し、弦楽器は基本的に弦を押さえて弓を動かせば音が鳴ります。

 

どんなに速くて難しい場面でもつきつめればある音が次の音に変わる、ただそれだけです。

 

音2つだけ取り出したらできないことはありません。

 

ということは根本的に鳴らせない音はなくて続くとできないだけ。

 

このあたりに攻略法のヒントがありそうだと。

 

はじめは左手の指の問題だと思ってひたすら回数をこなす練習をしました。

 

次に右手の弓と左手の同期の問題に取り組み、ばらばらなものの精度を上げて一つにする練習をしました。

 

これはいい練習法で今でも重宝しています。

 

最近、これをさらにアップデートできる動きのリソースに気づきました。

 

脊椎の動きです。

 

脊椎の動きを意図的に使えるようになったら、するっとできることが増えたのです。

 

今までは腕や手ができるようになることを考えていました。

 

でも音2つならできるということは基本的には腕や手はできてるのですね。

 

それが通しでつなげたときどこかで詰んでしまうということは、腕や手がやりやすいポジションから外れるからです。

 

腕や手が局面局面で一番やりやすい位置、角度に居続けられるように使える動きのリソースはどこかと考えたら、真ん中に脊椎がありました。

 

それから上手な人の身のこなしが見えるようになり、やっぱり脊椎が大事だと確信に至りました。
 
脊椎の動きが分かると、楽器の先生に言われてきた姿勢の意味も理解できます。

 

ただ残念なのが姿勢という言葉はある1つの固定したものをイメージさせることです。

 

姿勢は脊椎の動きのある一瞬を切り取ったものに過ぎません。

 

ある1つの形で全部できると考えたら間違っています。
 
必要なのは腕や手が演奏可能な体勢に瞬間瞬間変わっていくことなのですね。

 

そのために脊椎も動きのリソースに加えるといいことがあると思っています。

この記事を書いた人

2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。

2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。

はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師

 

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