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アレクサンダー・テクニークかもしれない体験ができるレシピ

" アレクサンダー・テクニーク "

2019年11月28日

アレクサンダー・テクニーク関連の本を読んだ人なら「頭が動いて」「首を自由に」という言葉を見たことがあると思います。

 

実際にやってみたことがある人も多いでしょう。

 

読んでやってみて「ああこれね!」という人はいいです。

 

ほとんどは、よく分からなかったのではないでしょうか。

 

アレクサンダーは体験がすべてだからしょうがない、という考え方もありますがせっかく興味持ってもらったのにそれだとあんまりなので、できるだけそれらしい体験をできる手順を考えてみました。

 

ただし体験できるのは「アレクサンダー・テクニークかもしれない」なにかです。

 

うまくいけばアレクサンダー・テクニークになってるかも知れないし、そうじゃないかも知れない。

 

なんであれちょっと変わった体験ができたらそれを面白がる、くらいのノリでお願いします(笑)

 

それでは・・・

 

頭の重心は解剖学的には頭蓋骨のトルコ鞍あるいは下垂体のあたりと言われています。

 

これは顔を正面に向けた状態なら、頭の重心は首の骨より前で上ということです。

 

ということは頭と首だけの関係で考えると、顔を少し上に向ければ頭の重心が首の上にのります。

 

つまり頭が首の上でやじろべいみたいにバランスを取れるかも知れないわけです。

 

首の力をできるだけぬいて、頭が前にも後ろにも等しく転がる可能性があるところを探します。

 

うまくいくと頭がふわっと上方向に浮かぶような感覚があるかも知れません。

 

バランスが取れずに頭が倒れたらそれは力を抜き過ぎです。

 

でも頭を支えるのに最低限どのくらいの力が必要か知るため、完全に抜いてみるのもいいと思います。

 

力の入れ具合が繊細に分かってくると、日常でどれだけ首を緊張させてるかも見えてきますので。

 

とりあえずしばらくはこれで面白がります(笑)

 

でもこのままだと上向いたままの変な人です。

 

次は顔を正面に向けたまま、上半身の肋骨から上(胸椎12番から上)の部分が前にも後ろにも等しく倒れる可能性があるところを探します。

 

首の力を抜いてるのは継続したまま、これに加えて背中側と胸側の力もできるだけ抜きます。

 

背骨がぐらぐらしますが、支えようとか安定させようとかせず動くにまかせます。

 

ぐらぐらするのはバランスを取って背骨を立たせようとする体の反応だと思って、それに身をゆだねましょう。

 

そうすると、多くの人は頭が後ろ方向に移動すると思います。

 

顔を正面に向けた状態で頭の重心は首の骨より前にあるので、後ろに持っていかないとバランスが取れないわけですね(ただし元々がどういう姿勢から始まるかで人によるので一概には言えません)。

 

うまくいくと肋骨が活発に動き出して呼吸が楽で深くなるかも知れません。

 

また鎖骨や肩甲骨がふわっと浮き上がって腕が軽く感じる瞬間があるかも知れません(これが起こったら元々は鎖骨と肩甲骨が体にぎゅっと貼りついて固まっていたということです)。

 

上半身はだいたいこんな感じ。

 

次に、ここまでやってきたことを継続したまま、腰から下の下半身でも同じことをします。

 

胸椎から上の上半身をやじろべいだとしたら、それを腰椎(腰椎1番)の上に載せるイメージ。

 

やじろべいを前にも後ろにも等しく倒れる可能性があるところに置き続けるために、腰椎の屈曲、伸展を使って細かくバランスを取ります。

 

腰椎を屈曲、伸展させるためには骨盤の前傾、後傾も使わなければなりません。

 

骨盤が前傾、後傾するためには股関節も使う必要があり、以下同様に膝関節、足首関節の動きも使います。

 

それも全部同時に。

 

最終的には全身を立たせた状態で前にも後ろにも等しく倒れる可能性があるところを探します。

 

力が抜けていたら体中の関節がぐらぐらしますがそれでいいです。

 

人間はふつう立つときに前側に体重をかけています。

 

倒れるなら後ろより前の方が安全ですからね。

 

だから前にも後ろにも等しく倒れる可能性を探るとけっこう重心が後ろ目の印象があると思います。

 

かかとで立つようになるかも知れません。

 

本当に倒れては危ないので、ぐらっときたら後ろに歩いてもいいです。

 

また後ろに倒れるのを回避するために脚の前側の筋肉がよく使われるかも知れません。

 

ふだんなら後ろ側のお尻や腰の筋肉がこれ以上に使われてるかも知れないわけです。

 

「頭が動いて」「首を自由に」してできるだけ力を抜いて、前にも後ろにも等しく倒れる可能性があるところでバランスを取って立てれば、それは重力に対抗して余分な力を使わずに立っている状態です。

 

ただし!

 

勘のいい人はお分かりのようにここまでであればただの脱力メソードです。

 

ぐらぐらした変な人が出来上がっただけで、スポーツも武道も楽器演奏もこのままではうまくいきません。

 

この手順のねらいは、余分な力を使わずそれでも倒れずに立つ体験をすると、体を起こす上向きの作用が見えやすくなることにあります。

 

この上向きの作用がどのアレクサンダー・テクニークの先生も共通で伝えているものです(レッスンではやりたいことのためにこの作用をもっと明確に力強く使えるようにします)。

 

もちろんこの手順だけでもいつもより強めに作用が効いてるかも知れないので、是非面白半分に楽器演奏の準備として試してもらいたいと思います。

 

この手順でもやっぱり分からなかったらレッスンにお越しください。

この記事を書いた人

2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。

2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。

はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師

 

カテゴリー: アレクサンダー・テクニーク. タグ: .
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