英国のマインド派?アレクサンダー・テクニーク
昨日書いた脳を使うモードを切り替える話、その元の発想は英国のアレクサンダー・テクニーク教師ピーター・ノブズ(Peter Nobes)から来ています。
ピーターの本を今、訳しています。
ピーターはアレクサンダー・テクニークを教える時にまったくと言っていいほど解剖学に触れません。
初めっからマインドに入り込んでいきます。
たいていのアレクサンダー・テクニーク教師は体から入ってマインドに気づいていく手順を踏みます。
おそらく世界中のアレクサンダー・テクニーク業界の趨勢と言って良いでしょう。
理由はその方が受け入れられやすいからです。
ピーターのようにマインドから入り込むタイプの人が今までいなかったわけではありませんが、例えばマイケル・ゲルブの本など読んでみると、インドのヨガ哲学をそのまんま借用して印哲の概念装置使って書いてるので、そもそも印哲に「同意」しない人には意味不明でしかありません。
ピーターはそういうのも知ってはいるでしょうけど、自分が考えた経験のあることしか書きません。
その点とても誠実な書き手であるように思います。
体から入ってマインドやメンタルの作用に働きかけるのは鍼灸では普通、というよりそれ以外にあり得ません。
なぜなら鍼という道具を介するのが鍼灸であること、道具は単に体に物理刺激を与えるだけであること、そして道具を用いて他人に術を施す(施術)ものが鍼灸だからです。
こういう条件設定があるのでマインドに直接働きかけるという発想が起こり得ないのです。
必ず体の状態を変えることからアプローチします。
でもアレクサンダー・テクニークでやるのは施術ではなくレッスンなので、マインドを変えることで体が変わるプロセスもありなんですね。
こういうところがアレクサンダー・テクニークってユニークというか面白いと思います。
残念ながらほとんどの人は目に見えて手で触れるものから認知していくので、このようなアプローチはマーケティング的には間違いなく苦戦します。
でもやっぱり大事なことが書かれてるような気がします。売れないと思うけど。
正直、他の仕事もある中で作業はなかなか進んでいません。
でもここで宣言することで、1年以内に形にすることを自分に課すことにします。
1年経って動きがなかったら、だれか僕を突っついてください(笑)
ワークショップではこういうこともお話ししたいです。
音楽家のアレクサンダー・テクニーク 1Day レッスン会
9月28日(土)9:30~12:30
⾳楽家の体を演奏でも⽇常でもサポート「3Dムーブメント」
講師:楠 洋介(アレクサンダー・テクニーク教師/鍼灸師)
9月28日(土)13:30~16:30
緊張とストレスを超えた向こう側へ!舞台袖でもできるヨガ呼吸法
講師:楠 道子(アレクサンダー・テクニーク教師/ヨガ・インストラクター)
場所:スタジオI-LAB(渋谷区千駄ヶ谷3-21-6 外苑MKビルB1)
参加費:12,500円
*午前のみ、午後のみの単発受講は7,000円
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師