演奏や発声のお悩みをご相談ください プロアマは問いません
bodytune(ボディチューン)音楽家のための鍼灸

フルートと肋骨、腕

" アレクサンダー・テクニーク "

2019年6月7日

アレクサンダー・テクニークとヨガをやる道子(僕のかみさん)によるレッスン記録のご紹介。

 

今回はフルート奏者の腕と肋骨がテーマです。

 

*****************************

先日の授業では、あるフルート奏者の方が、

「早くて難しくて、息が続かないところを、

もっと自由に滑らかに演奏したい」
と、自分には難しい楽曲を、持ってこられました。

 

ご本人の願いを元に、「息が続かない」ところで、

どんな動きをしているか、観察していきました。

すると、そもそもフルートを構える時、とくに右腕を上げてくるときに、

まず肩を少し後ろに引いて構えていているために、

肋骨の動きが少し邪魔されている様子がうかがえました。

 

フルートを構えるときは、当然指、手、腕全体を使う動きが生じますが、

なんとなく構えているときには、自分の腕や胴体について、

実際に使える範囲より短く使っていたり、フルートの長さについての認識が

あまりないことがあります。

 

改めて本人と一緒に「構える時、それから演奏するときにどんな動きが必要か」

を明らかにしていきました。

(無意識でやっている動きを意識的にしてもらったのです。)

 

指先から鎖骨まで「腕全体」で使えるところをすべて意識にいれてから、
フルートの長さ、自分の胴体(特に股関節や尾骨まで脊椎が続いていること)

など全身とフルートの関係を明らかにして吹くと、

息に域に余裕が出て、指の動きもなめらかになりました。

 

体の動きは、心理的なことも大きく影響していて、

「難しいところを吹かなくては!」

と思ったりすると、ちょっと余計に構えたり、首を縮めたりという、

恐怖に対応するときの動きの癖が出てくることがあります。

 

そこで、どう考えるか?自分の意図とつながり続ける練習も必要ですが、

単に「体」を認識しなおすことは、自分を現実に引き戻し、

演奏の動きに集中することに役立ちます。

今回の場合は特に「腕」についての再認識が役立ったようです。

 

また、「腕」と肋骨の関係ですが、息を使うときに

「肺」が重要な器官なことは知られてますが、

肺を覆っている肋骨や、その肋骨が付いている脊椎、

つまり骨や関節については忘れてしまいがちです。

 

そして、腕の筋肉は図のように大きく肋骨の上にかぶさっているがゆえに、

使い方が、肺の動き、息に大きく影響します。

だから息を使う楽器では「腕」も大切なのです。

 

「まだまだ息は続きそう!」と喜んで帰られました。

姿勢が変われば、体がわかれば、まだまだできることはたくさん!

これからの彼の演奏ができるますます楽しみですね。

*****************************

 

元記事のブログはこちら。

 

>>道子のブログ

この記事を書いた人

2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。

2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。

はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師

 

カテゴリー: アレクサンダー・テクニーク. タグ: , , , , .
  • ブログトップ
    ブログ

    音楽家の悩みを解決するブログ

  • ブログカレンダー
    2024年11月
     123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    252627282930  
  • ブログカテゴリー
  • ブログアーカイブ
  • 最近の投稿
Twitter