アレクサンダー・テクニークは何でテクニーク(技術)って言うんですか?
こんにちは!ハリ弟子です。
アレクサンダー・テクニークの業界では、頭と脊椎の関係性についてアレクサンダーさんが発見したことは、もともと人間に備わっているものと考えられていて、そう教えられます。
そうだとすると、この発見されたもの自体は、アレクサンダーさんとは関係なく昔から存在していたことになります。
ガリレオが地動説を唱えたのと関係なく、地球は最初から太陽の周りを回っていたのと同じようなものです。
アレクサンダーさんがやったのはそういうものがあることに気づいて、それを意図的に起こすための技術を開発したところです。
だから彼はこれを“My Technique”と呼んだのかも知れません。
Techniqueと呼んだ意図を考えるに、まず習得するのにそれなりの時間と練習が必要なことと、習得すれば世界中誰でも再現性をもってくり返しやることができる、そんな意味が込められているように思います。
一般的にはTechnique=技術とはどのような意味合いのものでしょう。
技術とは、それを使って何か目的を達成するためのものであり、目的をより効果的・効率的に達成できるよう発展進化するものです。
たとえば夜中に作業するために部屋を明るくしたいという目的に対して、人類は初め火を使いました。
火はエジソンの発明した白熱電球にとって代わられ、白熱電球は蛍光灯に、蛍光灯は今やLED照明になりつつあります。
目的は全部一緒で夜中に作業するために部屋を明るくしたいです。
この図式にアレクサンダー・テクニークを当てはめるとどうなるか。
やりたいことをやるために、頭と脊椎のある種の関係性を意図的に起こすために、アレクサンダー・テクニークを使うです。
普通の技術論と同じであれば、赤字のところは代替可能、または発展進化するものです。
しかしアレクサンダー・テクニーク業界ではここを替えても良いと公言するのはかなり勇気が要ります。
これはあくまでも思考実験であることをお断りしておきます。
でも、現実の生徒さんがやりたいことをやるに当たって頭と脊椎のある種の関係性を意図的に起こすことだけで(本人が自覚するような)効果が得られるのかどうか、また、頭と脊椎のある種の関係性を意図的に起こすためにアレクサンダーさん自身のやり方だけでうまく行かせられるかどうか、ラディカルに問うのもまた意味のあることだと思います。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師