認知対認知の翻訳スキル
こんにちは!ハリ弟子です。
情報を受け取ったり物事を考えたりする時のその人特有のやり方を認知特性と呼ぶそうです。
基本的には視覚を使うのが得意な人、聴覚を使うのが得意な人、言語を使うのが得意な人がいて、そこからもう少し細かく6タイプくらいに分類することが多いようです。
ハリ弟子が参考にしたこちらのサイトでも6タイプで説明されていました。
よく、漫画の読み方でセリフの文字を見ただけで次のコマに行くか、セリフの音声を頭の中で再生しながら読んでいるか話題になったりしますね。
前者は文字の形、つまり映像から直で意味に変換できるタイプです。
漫画に限らず本を読むスピードがやたら速いのはこちらです。
後者は文字を見て、一度音声に直してから意味に変換するタイプ。
実際に声には出さなくても、頭の中で音読してるようなものなので読むスピードは遅いです。
これが全てではないですが、こういうのも認知特性の表れの1つです。
ちなみにハリ弟子は後者で、読むの遅いです、、
ただこれも慣れというか、訓練で速くなることもあります。
例えば仕事で多く処理する定型の文書とか、専門分野の本なんかは全部を読まずに必要な情報だけひろうのがうまくなるので、読むのが速くなります。
速くなるのは、頭の中に理解のための基本フォーマットが既にあり、その一部をアップデートするだけで済むからです。
反対に理解そのものを構築する必要がある場合、たとえば未知の分野の専門書(哲学書とか?)を読もうとしたらそれはそれは時間がかかります。
アレクサンダー・テクニークを教えるようになって、また鍼灸師としていろいろな患者さんと接するようになって、コミュニケーションは認知特性が違う者どうしがお互いに理解を構築する作業なんだなと思うようになりました。
基本フォーマットがないので1から理解を作っていく必要があります。
ひと昔前だったら、先生が絶対だったじゃないですか(鍼灸師もよく「先生」と呼ばれます)。
先生の理解のフォーマットに生徒が(または患者さんが)合わせるのが当たり前。
同じものを見ていても、赤ワインと思うか、ガラスのビンと思うか、テーブルの上に載ってると思うか、フランス産と思うかいろいろですし、それを映像で思い浮かべるか、言葉で思い浮かべるか、味で思い浮かべるか、香りで思い浮かべるか、人それぞれです。
先生が赤ワインと認識したものを生徒がテーブルの上に載ってると言った時、先生の認識が「この生徒は物分かりが悪い、問題な生徒だ」となったら不幸です。
でも実際にはこういう類のことが多く起こっているような気がします。
そして、今まで相性の一言で片付けられてきたものって、多くは単にこういう話なんじゃないかと思います。
人によって生きている認知世界が異なることが分かっていれば、同じものが相手にとってどのように映るか、想像を働かせることができます(もちろん経験が必要ですが)。
これをスキル化できると、アレクサンダー・テクニーク(のみならず教えること全般でしょうが)を教える時にとても役に立ちます。
これからは、プロとして先生をやる人が自分のフォーマットでしか教えられないとか受けとめられないのはもうダメで、認知対認知の翻訳スキルを基本仕様として実装しているといいなと思います。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師