アレクサンダー・テクニークとフレンケル体操
こんにちは!ハリ弟子です。
アレクサンダー・テクニークがフレンケル体操を参考にしていたかも知れないとの論文を読みました。
フレンケル体操といえば医療系の学校で一度は習うものです。
ハリ弟子もリハビリの授業で勉強しました。
もっとも鍼灸の学校では名前と概要を学ぶくらいで、実際の体操そのものはやりませんでしたが。
理学療法の分野ではもっと深く、実技もともなうような勉強をするのだと思います。
こちらのサイトにとてもうまくまとめられています。
フレンケル(1860-1931)はスイス出身の医師で、脊髄癆による脚の運動障害からのリハビリ方法を開発した人です。
固有感覚が失われた人のリハビリなので、筋感覚に頼らずに運動機能を回復するところに特徴があります。
体の動きを目で見て、意図した動きになるようにゆっくり正確に繰り返し、最終的には見ないでも意図だけで体を動かせるようにします。
椅子からの立ち座りや歩行など、120種類以上のパターンがあるそうで、この方法はフレンケル体操と呼ばれて現在でも一部が使われています。
アレクサンダーさんも声を発する時の自分を鏡で見て、意図したとおりに体を使えていないことに驚愕し「感覚認識はあてにならない」と言っています。
また、プロシージャーといわれる一連の動作の型に椅子の立ち座りなども含まれており、もしかしたらフレンケル体操を参考にしたかも知れませんね。
ただ、アレクサンダーさんの場合は日常生活では支障なく歩ける、声を出せる、といった医学的には「健常者」とされる人々にも、大なり小なりこのような問題があると気づいたところにオリジナリティがあると考えてもいいのではないでしょうか。
たとえばヴァイオリンの超絶速いパッセージなど、固有感覚のフィードバックを感じるより速く次のフレーズを弾かなければなりません。
感覚に気を取られることなく、動作の意図を遂行し続ける必要があるわけです。
こう考えるとフレンケルが取り組んだ運動失調の話と楽器やスポーツなどの高度に訓練された技術とがひとつながりに見えてきます。
そして仮にパクリだったとしても、この間をつないだところにアレクサンダーさんの慧眼があったように思います。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師