ケガしないこととパフォーマンスを高めることは一緒のこと
こんにちは!ハリ弟子です。
サッカーの最先端のトレーニング事情を語るとてもいい記事を見つけました。
オランダ・リーグ一部で働く相良浩平氏へのインタビュー記事で、まず目を引くのはこの言葉。
「そのうちにケガをさせないことと、パフォーマンスを高めることは別々ではなく、一緒のことだと気づいたんです。コンディショントレーニングも、ストレングトレーニングも効率的な動きができることでパフォーマンスも上がるし、ケガも減るのがわかって興味が移っていきました」
アレクサンダー・テクニーク界隈ではなじみのある考え方ではないでしょうか。
何年か前にスポーツ専門の鍼灸師とお話しする機会があって、くそ生意気にも「ケガに至った動作の分析、改善をしなかったらその選手はまたケガすることにならないでしょうか?」と意見をぶつけたことがありました。
その時は「いや、必要な筋肉を割り出して筋トレで鍛えれば大丈夫だ」と一蹴され、ちょっと残念な思いをしました。
別に筋トレ自体をダメだと思ってるのではなく、それだけで本当に期待する効果を上げられているのか?というポイントだったのですが、理解していただけませんでした。
相良氏は筋トレについてこのように述べています。
「過負荷の部分で重りによって筋繊維に直接オーバーロードをかけるのではなく、コーディネーションという神経筋協調性や動きの習得、より効果的に動ける状態を作るところへの刺激を与える。」
対するインタビュアーの質問もまた核心を突いていて素晴らしい。
「── 負荷というのは重りだけではなく神経だったり、頭の中の判断も含めてということですか?」
これに関連して、記事の別のところではシチュエーション・ベースド・ラーニングアプローチなるものが紹介されます。
必ずしもすべてのアレクサンダー・テクニークがそうではないのですが、ハリ弟子の学んだところでは動きの文脈にとても重きが置かれていて、考え方はよく似ています。
ー 何のためにそれをやるのか?
ー やった結果どのようなことが起こって欲しいのか?
演劇理論のバックグラウンドを持った先生が多いのでこういう教え方をするのかと思っていましたが、スポーツの世界でも同じような考え方が発展してきているようです。
相良氏によると、筋トレの要素もピッチ上のトレーニングに組み込んでしまうのが理想です。
そのためにサッカーで必要なあらゆる動きを細かく分解してピッチ上のメニューに落とし込むそうです。
かつ全員が同じトレーニングをする必要はなくて、ポジションなりその選手の体格などに応じてカスタマイズしたものをやるべきという考えです。
ハリ弟子が学んだタイプのアレクサンダー・テクニークでは、実際の動きを見て分析し、より効率的な方法をその人に合わせて提案するトレーニングを積んできました。
サッカーの最先端で取り組まれている考え方が音楽の分野(楽器の演奏法など)でももっと当たり前に確立されていくといいなあ、というかそうしたい!というのが自分の希望だと気づかせていただきました。
サッカー以外の人たちにも広く読まれて欲しい記事です。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師