脳出血後軽度麻痺の方とのレッスン
こんにちは!ハリ弟子です。
脳幹出血を患い、リハビリ後、軽度麻痺まで回復されたベーシストの方がいらっしゃいました。
日常生活では特段支障ないレベルとのことで、脳幹出血からここまで回復されたことにまず驚きました。
いくつもラッキーが重なったことではありましょうが、ご本人のリハビリ、努力のたまものであることは間違いありません。
すごい人だと思いました。
そんな方がもう一度仲間とベースを弾きたいとのことで、お試しの形でアレクサンダー・テクニークのレッスンをしました。
アレクサンダー・テクニークは治療ではないので、麻痺を治すものではありません。
今の体で使える機能を前提に、やりたいことがよりやりやすくなるような体の使い方を提案します。
ただ、医療リハビリと同様に、やり続けることで機能そのものが向上し、医療的にも効果があったように見えることもあります。
このように重複する部分があるので、英語で検索すると、運動機能の改善にアレクサンダー・テクニークが効果的とする論文があるわけです。
ただし、アレクサンダー・テクニークで提供するのはあくまでもレッスンであり、毎回毎回、今の体でできることを最大限上手に活用しましょうとのスタンスは変わりません。
ちょっと注意が必要なところです。
少し長めにいろいろお話して、備え付けのコントラバスを弾いていただきました。
ご本人が「ここがやりづらい」とおっしゃるところの動きを観察して、こうしたらどうか?と提案したい動きができるかどうかハンズ・オンしながら確認し、もう一度やってみて検証していく。
さらに、頭と脊椎を始めとする全身の協調性についても新しいパターンを提案して、もう一度やってみます。
こうしたことを繰り返していくことで、最初はやりづらくて無理に見えたことが、できそうなところまで近づいて行きます(ものによっては既にできてしまっています)。
この変化を体感していることはご本人の顔に浮かんだ「!?」という表情で分かります。
もちろん、細かい難しいことがこれでいきなりできるようになってるわけではありません。
それでも、今の体の状態、今もっている能力でも、もっとできることがあるということはご本人の体が証明くださいました。
今回はご相談兼お試しということで無料のレッスンでしたが、人の持つ可能性についてハリ弟子も目の当たりにして感じ入りました。
ありがとうございます。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師