アレクサンダー・テクニーク教師資格の種類
こんにちは!ハリ弟子です。
アレクサンダー・テクニーク教師の資格にはいくつかの種類があります。
おおざっぱに分けると、STAT系と言われる資格、そしてATI系、さらに各学校個別の認定という3つです。
世界全体で見ると最も多いのはSTAT系の資格ですが、日本では逆にATI系または各学校個別の認定の方が多いと思います。
理由は簡単で、STAT系の認定資格を与えられる教師養成校が日本になかったからです。
STATとは、英国にあるSociety of Teachers of the Alexander Techniqueの略です。
アレクサンダー・テクニーク教師協会とでも訳しましょうか。
英国以外にも、この協会と提携関係にある組織が各国にあり、そうした組織に属した学校を卒業すると、英国以外でもSTAT認定になります。
今までは、海外のSTAT認定校を出て日本で教える先生しかいませんでしたが、数年前に日本にも認定校ができたので、これから徐々に増えていくことでしょう。
ATIは、Alexander Technique Internationalの略で、米国に拠点があります。
こちらの資格認定は、ATIの指定する教師3人の試験を受けて合格することと、ATIへの加入が必要です。
認定校のような仕組みではないので、試験は一発勝負です。
日本ではこれまで個々の学校の認定資格しかなかったので、国際的に通用する資格を得たい人はこれを受けてきました。
ハリ弟子の行っているBody Chance卒業生にも、大勢のATI認定教師がいます。
そうした人たちは、Body Chanceの認定資格を得た上で、さらにATIの試験を受けるという2段階を踏んでいます。
卒業してすぐに受けるというより、しばらく経験を積んでから力試し的に受けるのが多い感じでした。
ただし、試験に受かったら終わりではなく、ATI会員費を毎年納める必要があるので、ここ数年は減ってきている印象です(あくまでも周りを見た感じ)。
最後は、そういった国際的な組織の認定に関わらず、学校の独自の基準に従って資格を与えるケースです。
Body Chanceもそうした学校の1つです。
独自といっても、STATのような組織の規程をまったく無視してカリキュラムを組んでいるわけではなく、日本の実状に合わせて学びやすいようにした事情があります。
Body Chance校長のJeremyは、もともと英国のSTAT系の学校出身です。
日本でアレクサンダー・テクニークの教師養成校を立ち上げる際、STATの認定が受けられるよう働きかけたと言います。
しかし、教師1人に対する生徒人数の比率や、1週間に通うべき日数・時間数など細かい規程があり、日本で学校として運営するには難しかったため断念したそうです。
規程をゆるやかにして、少しずつ通っても資格まで到達できるようにし、最後の試験はATIのベテラン教師3人から、彼らの来日に合わせて受けるようにしました(現在は海外教師1人と日本人教師2人の試験でも卒業可能になりました)。
そのため、最速で3年程度で卒業する人もいれば、10年近くかかって卒業する人もいます。
これが先生としての教える質に影響するかというと、見ている限りではあまり変わらないような気がします。
どちらかというと、どれだけ自分で考えて、学校以外の普段の日常でもアレクサンダー・テクニークを使って来たかという経験が、教える際にも物を言ってくるように思います。
英国などいくつかの国では、アレクサンダー・テクニークに健康保険が使えるので、そうした国で保険適用の仕事をする場合は、日本の各学校の認定資格では無理だと思いますが(海外の医師免許がそのままでは日本で使えないのと同様)、日本で教える限り何ら問題はありません。
なお、医師とか看護師みたいに食いっぱぐれない資格と違い、アレクサンダー・テクニーク教師の資格は、これを仕事なり職業として成立させられるかどうかは、どの種類の認定でも、どこの学校を出ていても、まったく関係ないと思います。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師