バジル先生の吹奏楽相談室
バジルさんの新しい本『バジル先生の吹奏楽相談室 よくわかる指導編』と『バジル先生の吹奏楽相談室 たのしく上達編』(学研)が出ました。
この本は著者バジルさんの他に各楽器それぞれ専門の奏者が執筆したコラムがあります。
そうしたコラムのうち、コントラバスのページを書かせていただきました。
他の執筆者は音大などで専門教育を受けている中、僕のコントラバスは大人になってから(30代も後半から)始めた趣味のレベルです。
アマチュアのレベルとしても大してうまくはありません。
アレクサンダー・テクニークという共通項があるものの、僕が書くことの意味を考えなければなりませんでした。
今回の執筆にあたって僕の中では以下のような整理をしました。
初心者の記憶がまだまだ新鮮
子どものころにできるようになったことって、どうやってできるようになったか思い出せなくないでしょうか。
できるようになると同時にできない状態がどんなだったかまったく分からなくなるというか。
自転車に乗れる人が乗れない状態に戻るのが無理であるように。
ところが大人になってから始めた手習いってわりと簡単にできない状態に戻せるんですね。
少なくとも僕の場合はそうです。
なので毎回練習のたびにできないからできるに至ったプロセスを意識的に踏み直しています。
そしてできるレベルをちょっとずつ遠くまで行けるようにしている感じです。
言いかえると初心者というものを毎回追体験しているのですね。
上達の速度は亀の歩みだし、まあ不器用だと思います。
でも今回の本の趣旨である「初めて楽器を吹く人も、改めて見直したい人も・・・」にはむしろこれでいいのでしょう。
そう思うことにしました。
大人の思考と分析力
初心者は初心者でも大人の初心者です。
できないからできるに至ったプロセスを言葉で説明することができます。
僕は楽器を始めたのは中学吹奏楽部のチューバでしたが、チューバの奏法を言葉で説明できる自信がありません。
時間と体力にまかせてやってたらできてしまっていたからです。
大人になってのコントラバスではそんなに時間がとれないので練習法を工夫する必要がありました。
自分で試行錯誤するうちに見つけたこと、本やネットで学んだこと、プロ奏者のレッスンを受けて教えてもらったことなど、いろいろなノウハウがあります。
特にコントラバスはできるようになるまでのハードルが高い楽器だと思っています。
越えないとやっててもつらいことを自分でも経験しました。
なので今回はこのハードルをいかに下げるかをポイントに書くべき項目を選びました。
また指導者の方にも分かりやすいように、初心者の立場から大人の言葉で楽器の事情を説明しました。
やっぱり楽器の成り立ちからくる得意不得意があって、成長途上の中高生がやる場合の配慮も必要だと思うのですね。
大人のプロの現場なら「仕事だからやれ」で終わるかも知れませんが、、、いや大人でも体こわす人もいるからやっぱり労働強度の管理は必要です。
いわんや中高生をや、ですね。
僕が言うのもなんですが『バジル先生の吹奏楽相談室』は各楽器奏者の力が結集して良い本になっています。
他の人が書いたところは僕も初見なんでうそいつわりなく言いますが、楽器やる人だったら絶対興味もって読めます(でもって、役に立ちます)。
なのでぜひ、買っていただけると嬉しいです。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師