ツボネットがすごい
ツボネットをご存じでしょうか?
鍼灸専門の症例検索サイトです。
先日からbodytuneも症例を載せていただけることになりました。
ここ数か月、症例ページの充実に取り組んでいましたがこれでまた1段階上昇です。
症例を書き始めた初期の第1段階はとにかく書くことに集中でした。
しかしだんだん数が増えると見づらくなるんですね。
なんらかの基準で整理が必要になりますが親ページを作ってそこからリンクやアンカーで飛ばすと後で作り直すのが大変。
どう設計しても大変さが思いやられて手をつけられず放置すること数年、、、
これが昨年暮れごろにこのホームページのワードプレスがアップデートされ、大幅にやりやすくなり俄然火がつきました。
以前は1枚のページにたくさんの症例を書く仕組みでしたが、アップデート後は1症例につき1枚のカードをあてがう仕組み。
カードにカテゴリーを付与するだけで簡単に整理できます。
そこで第2段階として1つの症例を楽器別と症状別の両方から引けるようにしました。
楽器別カテゴリーと症状別カテゴリー一覧をあらかじめ用意しておいて、1つの症例に両方のカテゴリーを登録します。
↓↓↓
これで「ヴァイオリン」とか「手首の痛み」という切り口で簡単に症例を探せるようになりました。
そして今回のツボネット連携は第3段階です。
これには2つの意味があります。
1つは患者さんにとって。
もう1つは鍼灸師にとってです。
患者さんにとっての意味は自分に合う方法を見つけやすくなること。
現状では鍼灸にたどりつく人は検索ワードに「鍼灸」を入れる人、つまりもともと鍼灸を知っている人です。
仮に他の方法に比べて鍼灸の方が合う症状だとしても、鍼灸を知らない人には情報が届きません。
これはもったいないと思うわけです。
効果がなくて選ばれないなら仕方ありませんが知られてないから選択肢にも上らない。
なので鍼灸がなにをしているのか、なにができるのか伝える努力が必要です。
そこでツボネットです。
ツボネットに現時点で掲載されている症例は1500余り、さらに増えつつあります。
1つの院で頑張ってもネットでは大海の一滴に過ぎません。
集まることで全体へのインパクトが生まれ、必要とする人に情報が届きやすくなります。
また今回実際にツボネットに症例をあげてみて、もう1つ患者さんのメリットと感じることがありました。
それは執筆のガイドラインです。
書いてみて初めて想像以上に高いガイドラインがあることを知りました。
たとえば「他の治療法では治らなかったので当院に来院」は基本NGです。
理由は宣伝臭をなるべく落としたいので。
口コミの機能もありません。
書く項目も定型化しています。
結果として書き手は症例そのものの質で勝負するしかなく、また読み手は良質な情報が入手できます。
ひるがえって鍼灸師にとってもこのことは意味を持ちます。
ツボネットの症例は臨床で体験した生の情報です。
それが規格化されていることでデータとしての価値も持ちます。
つまり生の情報でありながら統計処理もできるという二面性があります。
おかげで市井の鍼灸師であれば臨床のヒントを得ることができ(僕はそれで役立てています)、研究者であればここのデータで粗々の傾向をつかんでから精緻な研究につなげるという使い方ができます。
そうしてエビデンスレベルの高い論文が出れば鍼灸の認知を高めることにもつながります。
たとえば医薬品による水環境汚染の問題。
薬の効能の一部でも鍼灸で代替できることが分かれば、人類にも地球環境にも貢献できますね。
それにしてもこのツボネット、技術的にも大変なことをしています。
bodytuneのホームページで症例登録すると、ツボネットの母屋でも自動的に同期されます。
別々のワードプレスで動いてるにも関わらず、です。
すごくないですか、これ!
またツボネットは症状別カテゴリーしかありませんが、うちの独自性は楽器別カテゴリーなのでそこは譲れません。
うまく行くかなあ?と心配でしたが難なくクリアでした。
このサックスの症例、ツボネット上では「手指のこわばり」「手首痛」のカテゴリーですが、bodytuneのサイト上では「サックス」カテゴリーからも表示されます。
しかも既存の症例とも齟齬なくうまいこと表示してくれます。
すごくないですか、これ!!
カテゴリーの整理方法はこれからも変わっていくと思うので、後からの変更に対応しやすい仕様なのはとてもありがたい。
どうでしょう?
ツボネットのすごさが少しでも伝わったかしら。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師