高い音から低い音への跳躍法
先日、アレクサンダー・テクニークのレッスンのさなか、オーボエの高い音から低い音への跳躍について相談されました。
一般論として、同時にたくさん穴をふさぐ時の指、アンブシュア、ソルフェージュ、息などがありそうだなあと一瞬思いましたが、この方自身はそもそもどうやってると思ってるのだろうと思って何回か繰り返し自分で観察してもらいました。
そこで出てきたのが、
「舌を変えています」
「舌?」
「高い音では舌を上げていて、低い音では舌先を下に下げます」
(だったかな?ちょっとうろおぼえですが、手ぶりで示してくれた動きはそうなっていました)
舌先を下げるということはリード直前のスペースが跳躍の時に一瞬でちょっと広がるってことだよな、と思いながら、こういう仮説を説明しました。
舌先下げる → スペース広がる → 空気うすくなる → リードに流れる空気が不足する → リードの振動に支障をきたす → 音がつながらないように聞こえる、あるいは音が外れる
なので対策としては舌先を下げるそのタイミングで少し多めに空気を供給することを提案しました。
そしたらこの方の場合は跳躍のタイミングで低音も見事に鳴るようになりました。
跳躍で舌を使うのが一般的にみなさんそうかどうか分からないのですが、同じアイデアを使っている場合にはヒントになるかも知れません。
またここから跳躍のタイミングだけ多めに空気を供給するのか、跳躍の後もずっと多めにするのか、逆に多めに空気を供給する時間をもっと短くしてみるとか、いろんな実験をして表現がどう変わるか検証できるなあ、と考えが広がりました。
リード楽器について僕がまた1つ勉強になったレッスンでした。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師