シマンドルの体の使い方
写真のシマンドルは胴長短足に見えます。
短足というより、実際は膝を少し曲げて立っているように思われ、結果として胴体が長く見えるのかも知れません。
これが彼の自然な演奏姿勢だったかどうか分かりません。
100年以上前の写真なのでもしかしたら何十秒かこの体勢でいたのかも知れませんし、、
しかしよく見るとコントラバスをカメラから真正面にして、弓が弦に直角、左手の1・2・4指の形がよく見えるように構えています。
写真用にこのかっこうで静止していたことを想像すると、教育用にお手本を示す意図があったと考えた方が自然です。
つまり、楽器の構え方に対する彼なりの思想をこの写真から読み取っても良かろうと思うわけです。
アレクサンダー・テクニークでは、頭と脊椎が一切縮むことなく体を使うことを重要視します。
縮むことなくというのは背筋を伸ばすとかまっすぎにすることではなく、前後屈、側屈、ひねりなどどんな動きをしてもいいのですが、1個1個の椎骨の間をぎゅっと詰めてはいけないという意味です。
特にコントラバスのような大きな楽器を小柄な人が弾く場合、脊椎が固まっていると腕が苦しくなります。
骨盤と頭の間で脊椎がいつも余裕を持って動ける方が良く、そのためには体の上げ下げに足から使った方がいいことが多いです。
そういう目でシマンドルの写真を見ると、弓を指板と駒の中ほどの弾きたいところに置くために右手を下げるのに上半身折り曲げでなくあえて足を使うことで、脊椎が自由に動けることを優先させているように見えます。
また、こういうふうに体を落とすことで倒した楽器の重さも受けやすく、左手も弾きやすい位置に指板が来て、という具合に他のことのやりやすさにも合っているのでしょう。
もっと背が高くて腕のリーチが十分であればエンドピンを伸ばせばいいので、このやり方が唯一の正解というつもりはありません。
エンドピン全閉でも楽器をもてあます場合の1つの方法です。
ただ、いずれの場合でも頭と脊椎の固めが可能な限りない方が弾きやすいことではあると思います。
弦楽器奏者の脊椎の使い方をより深く知りたければ、3月31日(日)ワークショップのセッションBかCにいらしてください。
↓ご案内はこちらです↓
音楽家のアレクサンダー・テクニーク 2 Days レッスン会
3月30日(土)9:30~12:30
セッションA:クラリネット・オーボエ・サックス奏者のための鼻抜け相談&レッスン会(アレクサンダー・テクニーク)
講師:楠 洋介(アレクサンダー・テクニーク教師/鍼灸師)
3月31日(日)9:30~12:30
セッションB:音楽家のためのヨガ&アレクサンダー・テクニーク(姿勢でわかること)
講師:楠 道子(アレクサンダー・テクニーク教師/ヨガ・インストラクター)
3月31日(日)13:30~16:30
セッションC:弦楽器奏者の悩みにこたえる相談&レッスン会(アレクサンダー・テクニーク)
講師:楠 洋介(アレクサンダー・テクニーク教師/鍼灸師)
いずれも場所は、スタジオI-LAB(渋谷区千駄ヶ谷3-21-6 外苑MKビルB1)
参加費(1コマ分)は、通常 7,000円、早割 6,000円(2月中のお振込)
※2コマ分ダブル参加の場合 → 通常 12,500円、早割 10,000円(2月中のお振込)
お申し込み、または質問・問い合わせを、お電話(080-5899-5203)またはメール(office@btune-hariq.com)よりお願いいたします。
アレクサンダー・テクニーク江古田レッスン会(第4回)
次回は、2019年4月7日(日)15時~17時 定員は6名まで
場所:江古田のbodytune鍼灸マッサージ院内スタジオ
参加費:4,000円
1人20分程度のレッスンを順番に行なって、みんなでシェアします。
申し込み、お問い合わせは080-5899-5203までお電話か、office@btune-hariq.comまでメールください。
または、お問い合わせフォームのページから送信いただいてもけっこうです(>>ご相談・お問い合わせ)。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師