日本でアレクサンダー・テクニークを仕事にするには
こんにちは!ハリ弟子です。
「アレクサンダー・テクニーク」というキーワードでWeb検索するといろんなものが出てきます。
姿勢、肩こり、腰痛、緊張、アガリ、音楽家、楽器、演技などなど、何のこっちゃですね。
海外ではパーキンソン患者のリハビリに取り組む例もあったりします。
こういう状況なので「アレクサンダー・テクニークやってます」と言うと、鍼灸師仲間からは施術、治療、リハビリと言われ、音楽家や役者さんからはレッスンと言われ、うちのかみさんはヨガの集まりで宗教と言われたそうです(笑)。
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これには創始者のアレクサンダーさん自身が俳優だったことと、彼のクライアントに医師やその患者さんが多かったことが関係しています。
アレクサンダーさんは俳優養成をしていたこともあるので演技のメソードとしてのテクニークもアピールしたかったと想像しますが、経済的には医師に効果を認められてその患者さんに多くレッスンしたことで成功したのは間違いないでしょう。
事実、彼の著作の中には症例報告がたくさん出てきます。
ざっとあげてみても、呼吸器疾患、どもり、恐怖症、関節炎、痙性斜頸(けいせいしゃけい)など難しそうな症状が目白押しです。
こういった傾向はある程度弟子たちにも受け継がれて、例えばウィルフレッド・バーロウは医師でかつアレクサンダー・テクニーク教師の立場から本を書いていますし、パトリック・マクドナルドもその著作の中で喘息、心臓疾患、リウマチ、脊椎すべり症などについて書いています。
その甲斐?あって欧米ではアレクサンダー・テクニークのレッスンが健康保険の適用になる国もあります。
本家本元がこういうことなので、日本でもアレクサンダー・テクニークに医療リハビリ的な効果があることをメリットとして打ち出す向きがあるのは無理からぬところだと思います。
しかしハリ弟子は、日本で施術、治療、リハビリ的イメージを広めるのは難しいと考えています。
アレクサンダーさんが医療的目的でレッスンしたのは20世紀初頭です。
当時の医学には治せない病気が今よりずっと多くありました。
薬の種類も今とは比較になりません。
医者でどうにもならなくてアレクサンダーさんが対処できるケースがけっこうあったのでしょう。
このあたり昭和の鍼灸にも通じるものを感じます。
現在は外科手術がずっと安全で体への負担が小さく(ものによりますが)、薬でコントロールできることが多くなり、医者で解決できることが増えました。
しかも日本では国民皆保険制度で医療は安価です。
アレクサンダー・テクニークに同じような効果があるとしても、レッスン受けるの高額だし面倒じゃないですか?
それよりもハリ弟子が目をつけたいのは、俳優出身で医学教育をまったく受けたことのないアレクサンダーさんが自分の発見を医療の世界に適応したということ。
本人にしてみたら、未知の分野にとにかく手探りで取り組んだことも多かったと思いますし、昨日のブログで書いた「やりたいことをやるために、頭と脊椎のある種の関係性を意図的に起こすために、アレクサンダー・テクニークを使う」の緑色の部分が何であれアレクサンダーさんの発見が使えるという自信につながります。
日本でアレクサンダー・テクニークを仕事にしていくには、とにかく来てくれた生徒さんの緑色を実現するために懸命に応えることを続け、その中で自分なりのテクニークを開発することだと考えています。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師