クラシックでも難聴への注意が必要です
こんにちは!ハリ弟子です。
先日、フリーランスのファゴット奏者の方が鍼灸施術にいらっしゃいました。
来院の直接の目的はこのところ休みがなくて体調が下降気味だったのでそのメンテナンスだったのですが、数ある症状を1つ1つ具体的にうかがっていくと日によって聴覚過敏や耳鳴りがありました。
この方とは以前も聞こえがやや遠いのが心配で突発性難聴向けの治療をしたことがあります。
施術しながら職場環境をうかがうといろんな現場があって、なかなか耳を守り切るわけにいかないようでした。
オーケストラでは、木管群(フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット)はちょうど金管楽器の真ん前の配置になります。
トゥッティでフォルティシモだとクラシックとはいえ至近距離でフルパワーのブラスですから、耳にとって相当なストレスなのは間違いないです。
数年前に英国ロイヤル・オペラが楽団員の難聴で訴えられたのがニュースになりました(>>オーケストラ団員の難聴が深刻化~英国ロイヤル・オペラ訴えられる)
この記事によると楽団員の1/4以上が一時的または軽度の聴覚異常、1年間で騒音障害による病欠が7例ですから、どう考えても一般の人と比べたら多いですね。
日本のオーケストラでもこういった問題に取り組むところが出てきていて、衝立を置く現場も増えていますが、まだまだ欧州ほどではないようです。
また、エキストラとして入る場合には立場的にあまり強く言えなかったり、かと言って耳栓は聴きたい音までカットされてしまったり、いろいろデリケートで難しい問題があるように感じました。
演奏家にとって聴力は本当に大事な商売道具の1つですから、できるだけそれを繊細に取り扱う文化と現場の対応が当たり前になるといいのですが、、
同じ音でも難聴にならない人もいるから大丈夫だ!的なマッチョな人はもはやいないと信じたいですが、こういう人に基準を合わせられると、本当に聴こえ失う人は失いますんで。
それで職失ったら誰も救えません。
数日後、この方から連絡があって、すっきり元どおりで絶好調とのこと。
次の現場ではアクリル板を置いてもらえたそうで、それだけでもだいぶ違ったそうです。
ハリ弟子も聴力残ってるのは左耳だけなので(右は中耳炎の手術で失聴しました)、左がだめになったらと思うとちょっと怖くなります。
コントラバスは大して音量出ませんが、構えると左耳のすぐそばで弦がブンブン言うので、体調により聞こえ方が変になることがあります。
そろそろ耳栓を考えようかしら。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師