演奏家が気をつけるべきお薬の話
こんにちは!ハリ弟子です。
現場で音を合わせる演奏家にとって、音の聞こえ方はデリケートな問題です。
耳鳴りや難聴といった深刻な不調がなくとも、ステージの広さや残響の長さによっては、音ではなく指揮者や共演者の動きを目で見て合わせることもあるくらいです。
作音楽器(管楽器やフレットのない弦楽器など)や歌の場合には、音程にも気を配らなければなりません。
自分の感覚が当てにならない状態でステージに上がるのは、とてもストレスになることでしょう。
ところが、一部のお薬の中には、副作用として聞こえ方に影響が出るものがあり、音楽家が使う場合には注意が必要です。
そうしたお薬について、情報をまとめてみました。
なお、薬の名前には一般名と商品名があります。
例えば、ロキソニンという痛み止めの薬がありますが、ロキソニンという名前は製薬会社のつけた商品名で、一般名はロキソプロフェンと言って、薬の成分を表します。
ロキソニンとロキソプロフェン、名前が違っても薬自体は同じものと考えてけっこうです。
ロキソプロフェンを含む痛み止めの薬はロキソニン以外にもあり、成分が同じであれば同じ効果が期待できるので、より安価な薬を使える選択肢を持たせるため、医師の処方せんには一般名を使うことが推奨されています。
このように、薬について調べ始めると同じものをいろんな名前で呼んでいて情報がややこしくなります。
そのため、ここでは基本的に一般名のみを記載して、特許等の関係で1社しか製造していない場合のみ商品名も書くようにします。
難聴などの聴覚障害の可能性があるもの
ゲンタマイシン:抗菌薬
ストレプトマイシン:抗菌薬
バンコマイシン:抗菌薬
カナマイシン:抗菌薬
アルベカシン:抗菌薬
アスピリン:解熱、鎮痛、消炎剤
フロセミド:利尿剤
トラセミド:利尿剤
アゾセミド:利尿剤
シスプラチン:抗がん剤
音程が下がって聞こえる可能性のあるもの
ベンプロペリン(商品名フラベリック):咳止め
カルバマゼピン:てんかん、統合失調症、三叉神経痛
ここで上げられたお薬は医師の処方せんがないと入手できないものがほとんどなので、音楽関係の方は聞こえの副作用があっては困ることをあらかじめ医師や薬剤師に相談することが自衛策になります。
ただし、解熱、鎮痛、消炎のアスピリンは市販薬として簡単に手に入るので注意が必要です。
リンク先の「医薬品情報データベース」にて「医薬品名」のところにアスピリンと入れて検索してみてください。
検索結果画面の「販売名」の項目を見ると、ドラッグストアでどのような名前で売られているか分かります。
また、こちらのリンク先の記事も、具体的な症例が掲載されていて大変参考になります。
中段くらいから、聴覚異常について、事例とともに詳しく説明されています。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師