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bodytune(ボディチューン)音楽家のための鍼灸

右手腱鞘炎中のヴィオラ奏者

" 腱鞘炎・ばね指 "

2019年2月22日

右手に腱鞘炎をかかえるヴィオラ奏者がいらっしゃいました。

 

弓を落としそうになるのが怖くてがちっと持ってしまい、そうするとピアノでの繊細なコントロールが余計難しくなる、またフォルテからいきなりのピアノでしかも先弓というパターンがどうにもやりづらく音色にも影響が出るというお悩みでした。

 

整形外科にかかってエコーを見たら右手の伸筋側の腱が炎症を起こしていることが分かったそうです。

 

しかし当日の本番があって何とかしたいということでいらしていただきました。

 

一番ハードルが高いパターンです。

 

炎症そのものは鍼灸でもアレクサンダー・テクニークでもすぐには治りません。

 

時間がかかります。

 

でも現在の体のコンディションでやり方を少し変えてみたらやりづらいことがやりやすくなる可能性はあります。

 

そう思って実際に演奏を見せていただきました。

 

プロの演奏家の方なので、そうは言っても上手いしいい音でしたが、2つほど提案しました。

 

写真はイメージです(楽器もヴァイオリン)。

 

ボウイングのコントロールの中に肩峰の位置を動かす要素を加えること(具体的には前にも動かせること)。

 

右手と左手のタスクが両立しづらいところの解決は真ん中の脊椎に任せる必要があり、任せるからには背骨がいかようにも動けるようにと考えて演奏すること。

 

「だいぶ楽です~」

 

これだけでも良くなった実感を得られました。

 

このあと鍼灸施術に入り、肩甲骨を脊椎側に引っ張ってロックしているコリを解除して、胸椎の動きを回復するツボ、若干腰痛もあるとの話だったので腰椎の動きを良くするために足のツボも使いました。

 

施術が終わってもう一度演奏してもらうと、

 

「そうそう、うまく行ってる時の弾き方ってこんな感じだったな~。この感じが分かんなくなってた。」

 

ひかえめに言ってもだいぶ変わりました。

 

特に1番線の音の冴えが格段に違います。

 

ひととおり全部の弦の組み合わせで気になるテクニックをご確認いただいて終了しました。

 

くり返しになりますが腱鞘炎そのものは治っていません。

 

なので腱鞘炎の治療はそれはそれとしてしっかりやっていただく必要があります。

 

ただ、同じ条件の体でもやり方を少し変えることでもっと負担少なめでポテンシャルを引き出す方法があるかも知れず、そんな時に鍼灸とアレクサンダー・テクニークは役に立ちます。

 

「今日は本当に来て良かったです!」

 

こちらこそ、こんなに良くなっていただいて嬉しくなりました。

 

本番はうまく行きますよう!

この記事を書いた人

2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。

2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。

はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師

 

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