立冬の養生
こんにちは!ハリ弟子です。
季節は立冬です。
先月の終わりごろまで台風が来ていたのがはるか昔のことのようです。
中国の暦では、立冬のこの時期は、水始氷(水が凍り始める)、地始凍(地が凍り始める)、雉入大水為蜃(キジが海に入って大ハマグリになる)そうです。
寒さと乾燥のために、咳や喘息など喉の調子を崩したり、肌荒れが起こりやすくなるのがこの時期です。
食べ物では、温かいもの、潤うものをとると良いとされています。
東洋医学では、喉も肌も肺に関係するものと考えます。
そのため、特に肺を潤すものを中心に選ぶと良く、梨、白キクラゲ、ヨーグルトなどがあります。
白キクラゲは薬膳スイーツとしても人気の食材のようですね。
また、スムーズに体内の循環をまわす観点から、シソやネギのようなやや刺激のある薬味も合います。
ネギは、青い部分ではなく白い部分を焼くと、甘みが出てとろとろになり、潤いを補う点でも効果的でしょう。
気をつけたいのは、温かいもの、刺激のあるものといっても、あまりに辛いものは一気に熱くなってその後急激に冷めるので逆効果です。
また、苦いものも体内のものを排出する方向に働くので、潤いをたくわえておきたいこの季節には不向きです。
肺に良い食べ物をあげてみたら白いものが多くなりました。
中国の五行思想では、あらゆるものを木・火・土・金・水の5つに分類して考えます。
立冬とは言え、まだまだ秋の気配がするこの時期、季節を秋ととらえれば、秋は金に属します。
内臓の分類でいえば、肺も金に属します。
そして、金に属す色は何かと言うと、白なのです!
おもしろいですね。
ところで、冒頭の立冬の時期を表す中国の言葉で、雉入大水為蜃(キジが海に入って大ハマグリになる)とは何なのでしょうか?
キジがハマグリになるってどういう意味でしょうね?
これは、ものごとが急に大きく変化することを表す例えだそうです。
寒気が厳しくなって、急に本格的な冬になる、そんなことを表しているのかも知れません。
今年の暦では、雉入大水為蜃になるのは11月17日です。
その辺りの時期、急な冷え込みに備えて、あらかじめ寒さ対策を準備しておくと良いかも知れませんね、、
今日は、ハリ弟子が鍼灸学校時代に教わった中国薬膳の授業ノートから、この季節にぴったりの内容を抜き出してお伝えしました。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師