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bodytune(ボディチューン)音楽家のための鍼灸

1人治療院の鍼灸師が治療法を学ぶとき気をつけるべきこと

" 東洋医学 "

2019年11月27日

鍼灸にはいろいろな理論、考え方があります。

 

臓腑経絡弁証とか衛気営血弁証とかそういうのです。

 

そこまでおおげさでなくとも、各師匠筋、流派などで実践されてるのも含めたら実にさまざまな治療法があります。

 

これ、治療の現場で使ってみてあんまりうまく行かなかったことはないでしょうか?

 

僕もいろんなものを勉強してやってみましたが、正直、自分には使えなくてそのままお蔵入りさせたものも多いです。

 

そういうことを繰り返していてあるとき、そもそも治療法には良し悪しはなくて、どうやって選んだら良いか考えずに取り入れたことが問題だと気がつきました。

 

古典に基づく治療法はたいていなんにでも効くかのように思われがちです。

 

でも実際にはそんなことはありません。

 

中国の歴史的にも途中から運気論が出てきたり温病学が発展したり、古い考え方では治らない病気に対応するため時代時代で乗り越えて来ています。

 

それぞれやはり得手不得手があるので、自院と客層がかぶらないものを学んでも実践で使えないわけです。

 

これが合ってるのがまず重要。

 

これが合ってる上でさらに良い治療法の条件として、投入の結果が理論どおりになることがあります。

 

起こったこと、いわば過去の説明は基本的にどれも上手です(なにせ森羅万象を説明する陰陽五行論ベースなので)。

 

でも理論から演繹して導いたやり方で施術をして、その結果が理論の予測どおりになることは意外と多くありません。

 

いわば未来予測の部分。

 

実臨床ではこれが決定的に重要です。

 

しかも、どんな下手な人がやっても同じ方向性の結果になるのが理想で、1人治療院の鍼灸師が上達するためにはこういう前後の差分が大事です。

 

ものすごく上手くないとそもそも変化しない、というのだと治療法の背景理論がおかしいのか自分の腕の問題なのかも検証できず努力の方向性も見出しづらい。

 

ここで我慢して練習し続けるのはちょっと辛いですね。

 

患者さんに使い続けるの無理がある気がします。

 

また、短いタイムスパンで効果が検証できることも重要です。

 

鍼灸学校に行ってたころ、半年かけて施術しても効果が上がらないので証立てを変えてみたらその後うまく行った、と話してくれた先生がいました。

 

たいていの患者さんは半年も我慢しません。

 

安くない料金を払うわけですから、1回で効果がなければ2度目がないわけです。

 

なので1回の施術の中で、一手、二手、三手と必要あらば修正して効果を出す必要があります。

 

そのためには鍼の効果がすぐに判断できた方がいいのですね。

 

繰り返しになりますが治療法にはそもそも良し悪しはありません。

 

僕がお蔵入りさせたものもたまたままだそれに合う患者さんと会っていないだけかも知れません。

 

要は治療法そのものを自分のニーズに寄せて選べるといいですよ、というお話しでした。

この記事を書いた人

2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。

2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。

はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師

 

カテゴリー: 東洋医学. タグ: .
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