進化する鍼灸
こんにちは!ハリ弟子です。
しばらくアレクサンダー・テクニークの話が続いたので、久しぶりに鍼灸の話題を。
一口に鍼灸と言っても、治療のスタイルは大きく3つあります。
現代的治療、経絡的治療、中医学的治療です。
現代的治療は、現代医学の解剖生理学に基づいて、筋肉や神経にアプローチする方法です。
経絡的治療は、中国の古典医学に基づいて、主に経絡の流れを改善することに治療の重点を置く方法です。
中医学的治療もやはり中国の古典医学に基づきますが、使う鍼が中国針になるのでたいてい太くて深刺しになります。
このように、同じような道具を使っていても、それぞれに治療のベースとなる考え方が様々です。
ハリ弟子の行った鍼灸学校は、これら全てを一通り勉強できるところで、一応の基礎的な考え方や実技をそれぞれの専門の先生から学びました。
以前は、どれがいいのだろうか?と迷うことがありました。
なんとなく混ぜて使うべきではないというような雰囲気があるのです。
ただ、実際の治療の現場でどのスタイルを使うかは、はっきり言って、患者さんの視点からするとどうでもいいことです。
最近はそう思って、学んだことをいったん解体し、その時の患者さんのニーズに一番良いと考えられる方法で組み直すようにしています。
脈診や舌診をしないことだってあります。
そうやって、体験をベースにしてやってみることで、思わぬツボで効果が出たりします。
また、以前はちっともうまく行かなかった方法が、ある程度技術が向上した今やってみると効果が出ることもあります。
その時の自分にとって最善、最先端の考え、方法、技術で治療するのが一番誠実だと今は考えています。
例えば、経絡的治療ですべて対応するのが理想だと思っていても、今の自分の技術では傷めている筋肉に直接鍼をするのが一番確実だとしたら、迷わず現代的治療を選んで真剣に治療をすれば良いのです。
体験をベースに、目の前の患者さんのニーズに合わせて、今持っているすべてを組み直す。
ハリ弟子の鍼灸は、こんなふうにして現在進行形で進化しています。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師