横隔膜、縮むと下がるのなぜ?
こんにちは!ハリ弟子です。
「横隔膜は筋肉です。筋肉は縮むのが仕事です。縮むと横隔膜が下がって、肺に空気が入ります。」
ハリ弟子はこんなふうに説明されて、それで納得してきました。
しかし、先日、縮むのと下がるのがどうしても結びつかないという質問をもらって、はたと考えました。
論理的に考えたら、縮むがイコール下がるにはなりません。
何か条件があるはずです。
まずは模型を作って実際にどんな動きをするのか見てみようと思いました。
が、難しくて断念、、
図形で思考実験しました。
まず、横隔膜には伸び縮みする筋肉の部分(図の赤いところ)と腱中心(けんちゅうしん)という伸び縮みしない部分(図の黒いところ)があります。
そして、付いている骨は下位肋骨(第7~第12肋骨)の内側や腰椎です。
これらは骨なので、基本的に動かないものとして考えておきます(実際には動きますが、思考実験の便宜上)。
縮むイコール筋肉の長さが短くなることなので、濃いブルーの両矢印で筋肉の長さを表します。
骨がアンカーになって筋肉が収縮した場合、図のように腱中心が下に引っ張られます。
そして、濃いブルーの両矢印も短くなっています。
この説明をはしょると「縮むと下がる」になります。
現実には、横隔膜が下がってこれ以上内臓を下に押せないところまで来ると、今度は肋骨を持ち上げる作用が生じます。
これもまた筋肉が縮む力によって生み出される動きですが、今度はアンカーが肋骨ではなく腱中心になります。
内臓によって腱中心が下がれなくて、その場にとどまるので、端っこにいる肋骨を動かすことで筋肉が縮むわけです。
図の濃いブルーの両矢印の長さも、少しだけですが、短くなっています。
素朴な質問はラディカルな問いを生んで理解を深めますね。
これからも大歓迎です!
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師