その解剖学にご用心
(こちらの記事は、2016年11月まで運用していた旧bodytuneサイトのブログ記事を転載したものです)
先日、鍼の授業で背中のツボをとってもらった時に、僕の体は第七頚椎よりも第一胸椎の方が出っ張っていることが分かりました。解剖学的にはこの辺りは第七頚椎が一番後ろに突き出すのが普通とされ、骨格図や骨格模型はそう見えるように作られています。しかし、臨床では第一胸椎が一番後ろに突き出すケースはわりによくあり、胸椎の後弯が少ないフラットバック気味の人に多いそうです(頚椎について詳しくはこちら→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A0%B8%E6%A4%8E)。
僕自身、自分の体でも一番突き出したのが第七頚椎だと思っていたので、第一胸椎を第七頚椎だと信じていました。本物の第七頚椎を探して首の後ろを探ってみたら、奥の方に引っ込んでおり、どうも解剖学の知識どおりの体になろうと自分の体の現実に合わないことを強いていたようです。そういえば、アレクサンダー・テクニーク(AT)を学び始めて8ヶ月、首や肩のこりは以前に比べれば全然いいのですが、時々、ATをどれだけ意識してもこりが抜けない時がありました。大事な椎体を一個すっ飛ばして動かそうとしていたのだから当然ですね。
早速、バジル先生に見ていただき、首のロールアップ、ロールダウンをしながら動きの中で頚椎のマッピングをし直すことを教わりました。
おそらく僕は元々フラットバック気味な姿勢をする癖があって、それがゆえに第一胸椎がより突出していたと思われますが、解剖学の知識でそこを第七頚椎と確信してしまったので、体についての誤った認識を疑うことができませんでした。解剖学の勉強はするにこしたことはないのですが、現実の体が解剖学的な標準に必ずしも合致しないこともあるのですね。いい勉強になりました。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師
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