腕(その2)
(こちらの記事は、2016年11月まで運用していた旧bodytuneサイトのブログ記事を転載したものです)
今日は本のご紹介から。『カパンジー機能解剖学』です。ちょっと値が張るのがなんですが、骨や筋肉の動きについてすごく詳しく書いてあります。どのくらい詳しいかというと、ものすご〜〜〜く詳しいです。分からないことがあるとこれに立ち返って調べるようにしていて、大いに助かっています。
さて腕の関節について。
昨日の記事に触れたとおり腕は鎖骨から、ということで、まずは胸鎖関節(きょうさかんせつ)から行きます。文字どおり胸骨と鎖骨の出会う関節です。触わるとしたら、喉のところの2つのグリグリです。この関節、どっちにどのくらい動くものなのか、よく分からなくないですか?見ようと思っても近過ぎてよく分かりません。そこで反対の手の指を肩の先端に置いて腕を振り回してみます。どうやら意外と動きますね。カパンジーによると、胸鎖関節が動くことで鎖骨の片側の端は上下に13センチ、前後にも13センチ、さらに回旋の動きも少しできるようです。
さらに肩の先端に置いていた指を少し背中側にずらすとそこはもう肩甲骨です。鎖骨と肩甲骨は肩鎖関節(けんさかんせつ)でつながっているので、当然、鎖骨を動かすと肩甲骨もつられて動きます。肩甲骨は大きな骨なので体幹の脊椎なり肋骨なりにどこかでつながっているように思えるのですが、実は鎖骨を通じてだけ体幹とつながっていて、肋骨に対してはその上を滑るように動いています。そしてその肩甲骨に上腕骨がついていますので、手をより遠くまで持っていきたいといった場合に、結局は鎖骨が動かないとどうにもならないことになります。鎖骨の動きが意外と重要だというのはこういう理由からです。
肩甲骨と上腕骨の関節を肩甲上腕関節といいます。普通、肩関節と呼ばれているところです。この関節は完全に球形をしているので、あらゆる方向に動かすことができます。ただしその分外れやすくもあります。
さらに下ると肘関節です。ここでは上腕骨の尺骨ががっちりとはまり込んでおり、曲げ伸ばしの動きしかできません。でもなぜか前腕はくるくると回転できますね。肘を曲げた状態でも手のひらを上にしたり下にしたりできます。これは肘の動きでしょうか、それとも手首がくるくる回転しているのでしょうか?実はそのどちらでもなく、尺骨の周りで橈骨が回ることでこのような動きを作っています。手のひらを上にしたとき橈骨は尺骨と並行にならんでいますが、下にしたときは尺骨とクロスする形になります。この動きは肩甲上腕関節の回旋の動きと混同しやすいところです。バイオリンの左手の構え、チェロやコントラバスでローポジションからハイポジションに移行する際、あるいは右手のボーイングが元弓なのか先弓なのかで、どこの関節を使うとよりうまくいくか、整理してみるとなにかヒントがあるかも知れません。
ちょっと長くなってしまうので今日はここまで。手首から先は次回といたします。
参考サイトは前回と同じですが、あらためて貼り付けておきます。
鎖骨
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8E%96%E9%AA%A8
肩甲骨
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%82%A9%E7%94%B2%E9%AA%A8
上腕骨
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E8%85%95%E9%AA%A8
前腕(尺骨)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%BA%E9%AA%A8
前腕(橈骨)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%88%E9%AA%A8
最後までお読みいただきどうもありがとうございます。
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2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師
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