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bodytune(ボディチューン)音楽家のための鍼灸

アンブシュア・ディストニアの金管奏者とのレッスン

" 管楽器奏者のアンブシュア不調 "

2019年10月18日

数年前からアンブシュア・ディストニアに悩まされ、bodytuneで鍼灸とアレクサンダー・テクニークの並行セッションを受けている金管奏者の方。

 

特に低音域で症状が強く表れます。

 

「マウスピースを逆にくわえて息を入れるだけなら何ともないのに、楽器につけて吹くとどうしてもコントロールできなくなってしまう」という言葉から、こんなことを試してみました。

 

– アンブシュア・モーションの低音域の位置にマウスピースを当てる。

– 息を吐く。

(この時、音が鳴っちゃってもいいし鳴らなくてもいい、またどんな音が鳴ってもいい、と思いながらやる。)

 

– プレスを強めにマウスピースをアンブシュアに当てる。

– 息を吐く。

(この時、音が鳴っちゃってもいいし鳴らなくてもいい、またどんな音が鳴ってもいい、と思いながらやる。)

 

– 上下の唇を合わせてマウスピースをアンブシュアに当てる。

– 息を吐く。

(この時、音が鳴っちゃってもいいし鳴らなくてもいい、またどんな音が鳴ってもいい、と思いながらやる。)

 

– アンブシュア・モーションの低音域の位置にプレスを強めにマウスピースを当てる。

– 息を吐く。

(この時、音が鳴っちゃってもいいし鳴らなくてもいい、またどんな音が鳴ってもいい、と思いながらやる。)

 

– 上下の唇を合わせてプレスを強めにマウスピースを当てる。

– 息を吐く。

(この時、音が鳴っちゃってもいいし鳴らなくてもいい、またどんな音が鳴ってもいい、と思いながらやる。)

 

– 上下の唇を合わせてアンブシュア・モーションの低音域の位置にマウスピースを当てる。

– 息を吐く。

(この時、音が鳴っちゃってもいいし鳴らなくてもいい、またどんな音が鳴ってもいい、と思いながらやる。)

 

– 上下の唇を合わせてアンブシュア・モーションの低音域の位置にプレスを強めにマウスピースを当てる。

– 息を吐く。

(この時、音が鳴っちゃってもいいし鳴らなくてもいい、またどんな音が鳴ってもいい、と思いながらやる。)

 

– 上下の唇を合わせてアンブシュア・モーションの低音域の位置にプレスを強めにマウスピースを当てる。

– 低音域の出したい音を頭の中で鳴らす(ただ思うだけ)。

– 息を吐く。

(この時、音が鳴っちゃってもいいし鳴らなくてもいい、またどんな音が鳴ってもいい、と思いながらやる。)

 

音が鳴るための要素を細分化していろんなパターンを組み合わせるのです。

 

この流れで、低音域の音を頭の中で鳴らして吹いたら、なんのストレスもなくバーンと鳴ってくれてご本人もこちらもびっくりしました。

 

最後の「出したい音を頭の中で鳴らす」というのは、症状を呼び起こす強いトリガーになり得ます。

 

なので音のイメージは本当に頭の中で思うだけにして、実際にやることはそれまでの手順で繰り返してきたプレス、アンブシュア・モーションの位置、唇の閉じ合わせ、息、ということに気をつけてもらいました。

 

そしてその都度、音が鳴っちゃってもいいし鳴らなくてもいい、またどんな音が鳴ってもいい、と繰り返し思うことも執拗にやってもらいました。

 

この「鳴っちゃってもいいし鳴らなくてもいい、またどんな音が鳴ってもいい」というのは成功と失敗の二択から離れた立場で現象を観察するのに役立ちます。

 

また、音が鳴るための要素を細分化することは、症状がなにと結びついて出るのか理解する助けになるのと、小さな成功を繰り返せるメリットがあります。

 

もちろん人によって症状が違うので、音が鳴るための要素は他にもいろいろあることでしょう。

 

こういうのは地道な作業ですが、今のところもっとも確実な道筋なように思います。

この記事を書いた人

2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。

2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。

はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師

 

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