新時代のコントラバス教本
東京佼成ウインドオーケストラ前田芳彰氏のコントラバス教本を入手しました。
今年2月に出たばかりのほやほやです。
ざっとしか読んでいませんがいろいろ画期的で驚きました。
これいい本です。
まず、かなり読ませる、考えさせる教本であること。
教則本ってこれでもかと譜例を載せるのが普通と思うのですが、この本は文章の方が多いくらい。
とにかくさらうための譜例が欲しい人は他の本を買った方がよいでしょう。
でもちょっとしたコツだったり気をつけるべきポイントが実にていねいに書かれていて目から鱗です。
日々練習する中でうまく行かないなあ、という時に読み込むとなにかしらヒントが得られる、そんな編集がなされていて、疑問をもって能動的に読むほど得るものがある気がします。
次に、写真がふんだんであること。
どんな楽器もそうですが、基本の構えはこれだよ!と教えられた姿勢・持ち方で全部弾けるわけではありません。
奏法上苦労しそうなポイントではかならず写真とともに説明されていてイメージがつかみやすくなっています。
僕はコントラバス始めて12年目になりますが、弓の持ち方の時点で「あ、こんなふうにやってるんだ!」と発見がありました。
また楽器の角度、右手首の使い方、左親指のネックへのつけかたなど1つの正解を載せるのではなく、さまざまなやり方とその考え方の提示にとどめて読者の選択にゆだねるところも好感が持てます。
1人のプロ奏者が自分がやってることを可能な限り言語化して他人が理解できる文章にした、それを96ページにぎゅっとおさめた、そんな感じです。
すごいなあ、音楽之友社。
>>前田芳彰著『もっと音楽が好きになる 上達の基本 コントラバス』(音楽之友社)
このコンパクトな本でいつまでも基本を新鮮にとらえ直して上達できそうです。
2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。
2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。
はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師