音楽家の悩みを解決するブログ " 整動鍼 "
左右の指先の感覚を校正する話
2021年10月28日
尊敬する漫画家の大今良時さんが原稿の下描きを裏から描くという話をどこかのインタビュー記事で知りました。今さがしても元記事が見当たらず記憶が頼りですが、理由を2つほどあげていました。1つはアシスタントさんが先にペン入れしても下絵が消えないために(裏から光を当てて紙を透かして描いている)、2つ目はデッサ...
理論家と臨床家の越えられない壁
2021年7月26日
ルート治療の白川さんと整動鍼の栗原さんの対談を見ました。多鍼と少鍼という見た目上正反対の方法をとるお二人ですが、なぜそれぞれ独自の方法を採用するに至ったかの経緯は似かよっており興味深いお話でした。お二人とも経絡治療などの古典的方法を学んだものの臨床の場でそれを生かせない経験をした、というのが独自路線...
鍼管の先端に見えるもの
2021年6月30日
先日、鍼師が使う道具、鍼管について書きました。 ≫ 内径の限界に挑む 鍼師が鍼管に求めるのは内径の細さだけではありません。むしろ先端の処理を気にすることの方が多いように思います。 この鍼管は内径1.5ミリで既製品ではもっとも細かったので試しに買いました。しか...
病人をみるな、病気をみよ
2021年5月21日
「病人をみるな、病気をみよ」とは18世紀フランスの医師たちの言葉だそうです。 現代なら「病気をみるな、病人をみよ」が正義です。鍼灸学校でも全人的医療ということを教えられます。鍼灸は主観情報と客観情報をわりといっしょくたに扱うことも多く、もとより「全人的」と言えなくもありません。とも...
音楽家のための鍼灸院の選び方
2021年3月17日
音楽家にとって良い鍼灸院とは何かずっと考えています。 開業以来「音楽家のための鍼灸」の看板を掲げ続けているからです。 普通に考えれば鍼灸は健康になるためにあります。 「健康のための鍼灸」が正解です。 でも健康ってなんのためでしょ...
どんな鍼が音楽家の体の調整に向いているのか
2021年3月15日
昨日は整体やマッサージと比べて鍼の方が音楽家の体の調整に適していることをお伝えしました。 では鍼ならどんなやり方でも良いのでしょうか。 そんなことはありません。 一口に鍼と言ってもいろいろなやり方があるからです。 たとえば凝って...
音楽家の体の調整に鍼が適している理由
2021年3月14日
音楽家で体のメンテナンスをしない人はいないと思います。 こと職業演奏家であれば特にそうです。 メンテナンスと一口に言っても整体、カイロ、マッサージ、そして鍼などいろんな方法があります。 音楽家としての仕事内容を考えたときに、そのどれが自分にとって...
コンディション・メンタル・制御とマーケティング
2020年12月26日
「こんな患者さんがいるのですがどう対応していますか?」 鍼灸師が集まるとあるあるな話題です。 先日の練習会でもこのテーマで盛り上がりました。 いろんな話が出たのでどんな症例だったかすでに記憶があいまいですが、「患者さんへの対応」を施術者側が考える...
連動のツボを取る練習会
2020年12月24日
今日は午前中、川崎の方まで鍼灸師仲間の練習会に行ってきました。 クリスマスではありますが、教会の暦では1日は日没から始まるので日があるうちはまだクリスマスではない!という謎の言い訳を家族にして出かけました。別にクリスチャンじゃないけど。 集まったのは整動鍼を学ぶ4...
「治る」の意味を考えたい
2020年12月22日
整動鍼のセミナーでは初めに理論解説があります。 それが毎回話す内容が変わります。 おそらくそのときどきで代表の栗原さんの旬の話題に寄せているのでしょう。 一応テキストはありますが「あとで読めば分かるので~」とほぼ完全無視。 怒る...
自閉症者の言語習得から鍼灸師の技術習得を考える
2020年12月19日
とあるウェブ記事から大変興味をそそられ、松本敏治『自閉症は津軽弁を話さない リターンズ』(福村出版)を読みました。 自閉症の人の中には幼児期に言葉が遅れる人が一定数いるそうで、その理由が衝撃的で心に残っています。 音の認知能力が優れていることがかえって言語の獲...
楽器職人と鍼灸師の仕事は似ている
2020年12月18日
音楽家の耳の良さには感服します。 よく言われる絶対音感など音程の話ではなく、音そのものの響きや張り、明るさや暗さなどを聞き分ける話です(言語化が難しい・・・)。 たとえば言葉なら日本語音声は五十音に分類されていて、我々は普通にアイウエオやカキクケコを聞き分けられま...
最近の施術(打楽器奏者の首から腕にかけての突っ張り感)
2020年11月27日
2か月ぶりご来院の打楽器奏者の方。 もともと左手にフォーカル・ディストニアがあり、ロールが続くと手首が固くなりマレットを握り込んでしまう症状で前回はいらしたのでした。 今回は手首や握り込みの症状は改善していて、首の左側から腕にかけての突っ張り感のご相談。 &nb...
最近の施術(クラリネット奏者の腕の痛み)
2020年11月26日
愛好家のクラリネット奏者の方。 右の肩から手首にかけて重だるい痛みがあり、楽器の演奏にも支障が出始めていました。 クラリネットは右手の親指に楽器の重さがかかるのでこうなるとつらいと思います。 加えて左手の親指付根にも痛みがありました。 &nbs...
最近の施術(ミュージカル歌手の喉の調整)
2020年11月25日
ここしばらくブログがご無沙汰でした。 とある本の翻訳に取り組んでいたためです。 施術の合間を使っての作業でなかなか進みませんがようやく残り一章分まで来ています。 さて症例サイト(ツボネット)にもなかなか上げられない日々が続いているので簡単ながらここ最近、整動...
ツボでパフォーマンスが上がる?
2020年10月22日
当院の施術ではツボに鍼をして試奏してもらい変化を確認しながら進めていきます。 以前、声楽の方の背中のツボに1つずつ鍼をして声出ししてもらったことがありました。 鍼1本だけして声出ししてもらい、その鍼を抜いて別のツボにやはり1本だけ鍼をして声出ししてもらうのを繰り返...
鍼灸で楽に姿勢が整うのは矯正しないから
2020年9月4日
鍼施術をしていると患者さんの姿勢に気がつくことはよくあります。 たとえば肩甲骨を指標に背中のツボを取るとき、そもそも肩甲骨の高さが左右で違ったりとか、あおむけに寝てもらったときの足の爪先の向きが違うとか。 三国志に出てくる名医 華佗(かだ)は、病人の背中にランダム...